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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

夏の罪

作者: あち
掲載日:2026/07/26

「2029年7月6日、大阪府で20代の男性が部屋で遺体となって発見されました。警察は殺人事件として捜査するとともに………」



去年の夏、七夕の夜に俺の彼女は行方不明になった。


あの日俺と彼女は短冊へ願いを書きに夏祭りへと赴いた。何やら泣きそうな表情で短冊に願いを書いている彼女は浴衣でその綺麗な顔と体を彩る事もせず、髪はボサボサ。

彼女は20代だろうに、なんとも勿体無いことをする。


書き終えたのか、他の短冊で彩られた笹に手を伸ばすが、一瞬停止し、唇を噛み走り出した。

その手には短冊が握られたまま。


俺は彼女の後ろ姿を追いかけるが、人混みに遮られ、見失う。


そしてそのまま、彼女の姿を見る事は無くなった。



今年の夏、七夕の日に俺は再び同じところへ出向いた。


今年は俺も書こう。そう思い立ち、短冊へと願いを書く。


笹には様々な短冊が飾られ、もう俺の短冊に居場所は無かった。


彼女もこんな気持ちだったのかなと、1年ぶりに同じ気持ちになれた気がした俺は、人気のない林へと向かう。


ーーーここに俺の願いを飾ろう。


くくりつける紐は自分で用意した。長く、丈夫な紐が必要だったから。


手を高く伸ばし、丈夫そうな枝に紐に通した短冊を掛ける。


そうして紐で出来上がった輪っかの先の世界が、ものすごくキラキラしているようにも見えた。


ああ、そうか。彼女は、名前の知らない彼女の願いは…。


「これが、君の願いだったのかな。」


林の中の静寂に、ポツッ、ポツッ、と垂れる水滴の音だけが響いた。


2030年7月7日、11時32分、30代無職の男性が林の中、首を吊った状態で発見された。




これで終わりです!超短編を気が向いたので書いてみました!

さて、この男は一体なんだったのでしょうか?

意味怖、人怖的な要素もありますね!

ぜひ考察(するほどの話でも、大層な隠された意味とかもありませんが笑)してみて下さい。

面白いと思ってもらえれば、是非連載中の

(切望のスード)に来てもらえればちょううれしいです。

読んでいただきありがとうございました!

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