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16話:事件の予感!?謎の機械「ジャンピングフラッシュ」?

「ふう」


いつのまにかピンと張っていた背中を丸め、息を吐いた。


周囲を見渡し、ドアを閉め、鍵をかける。


ミタマを押し入れから解放してやらねば。


押し入れの前に立つと、なにかゴニョゴニョと話をしているのが聞こえる。


ミタマとイナバくんと……ジンギ総長の声?


私は押し入れをノックし、ガラッと開ける。

ミタマは焦って通信画面を閉じた。

仰向けになっていた身体を持ち上げてこちらを向く。


「なっ……!開けるならノックしてくれ!」


「したけど……」


なんだこの思春期の息子と母親のような会話は。


「何やってたの?」


「ん!あ!……通信だ!」


「内容は?」


「ジンギ総長からの連絡でな、『不法に地球に侵入した外星人がいる』とのことだ」


外星人……外国人の星バージョンって意味なんだろうな。



「へえ……やっぱいるんだ、そういうの」


「ああ。とはいえ、地球へ移動できる宇宙航行機を所有している時点で、ソイツは地球人よりは文明レベルが高い」


「つまり?」


「地球に来る理由は、絞られてくる」


ミタマは押し入れから出て、身体をポンポンと払う。


「ホコリが多い!」


「文句あるならミタマが掃除してよ」


「……外星人が地球に来る理由は概ね2つ」


話を逸らされた。

こいつぅ……。


「違法と知ってて学術調査に来る狂人か……『テラス因子(ファクター)を狙う拉致誘拐犯か、だ』」



!!


……今までちゃんと考えた事はなかったけど、言われてみればそりゃそうだ。


私1人のテラス因子(ファクター)でも、巨大ロボットがバリバリ動かせるほどのエネルギーだ。


そんなエネルギー資源を、違法にでも奪取しようと考える奴がいないわけが無いんだ。

いや、むしろ……。


「よく今まで『地球人拉致事件』が起きなかったね」


「テラス因子を資源として使うようになったのは比較的最近だ」


ミタマはボディをティッシュでゴシゴシと拭いている。


「その上、星間連盟による太陽系不可侵条約の締結(ていけつ)も素早く行われたからな」


「へえー」


「とはいえ今回のように、違法と知ってなお侵入する犯罪者が過去にいなかったわけじゃない」


ミタマがコップに水を汲み、その水を腕から吸収していく。


「今まで地球人が『宇宙人を見た』と言って騒いでた奴は、ほぼ全員、不法侵入の犯罪者たちだ」


「ふーん」


そっか、そう聞くと結構事件自体はあったんだな。



……うん?

待てよ、そんな話なら聞かれて困るようなものじゃない。

「ノックくらいしてくれ!」と言うからには、聞かれたり見られたりしたら困るはず。

本当はいったい何を喋っていたのか……気になる。




話を聞き終わると、タイミングよくスマホが通知音を鳴らす。

パッとスマホを見ると『倉沢心療内科 通院』の文字。


「そうだ、そろそろ通院の時間だ」


ううぐ、脚は重いけど薬の為だ……出かけなきゃ。


「話聞いてた!?!?!?」


急にイナバくんが出現し、大声でツッコんだ。


「拉致誘拐犯の目的がテラス因子の奪取(だっしゅ)だとしたら、ザクちゃんメチャメチャ狙われやすいんだよ!?」


「……あ」


そっか、確かにそうだ。


自分では実感が全く湧いてないけど、私は世界でも有数のテラス因子生成量を誇るらしい。

いや誇ってはないけど。


「私が今外に出るのはカモがネギ背負ってるようなモノか……」


「カモがネギ?」


宇宙人にこの慣用句は伝わらない。


「いやでも、今日のこの重さを考えると、薬無しで明日明後日の生活を支障なく過ごせるとは思えない……」


「薬を送ってもらう、とかできないのか」


「できたとしても届くのは、早くても明後日の昼とかかなあ」


「ううむ、輸送技術が遅れているなあ」


その一言になんとなくイラッとした。



「あ!ねえミタマ!」


イナバくんが何か思い出したようだ。


「そういえばザクちゃんに渡してなくない?アレ」


「ん?……………おお!そういえばまだだったな」


アレ?

アレとは?


「イナバくん、『ジャンピング・フラッシュ』の射出を許可する」


「はーい」


なんだそれ。


と、首をかしげる数秒。

部屋の真ん中で、ボトンと何かが落ちる音がした。


振り向くと、みすぼらしい部屋には似つかわしくない、腕時計のような物が落ちている。

拾って眺める。

腕時計というよりアップ◯ウオッチみたいだ。

文字盤の代わりに小さいモニター。

側面にはボタンが付いている。


「それが『瞬転(ジャンピング)移機(フラッシュ)』だ」


背後からミタマが解説する。


「スイッチを押す、もしくは音声認識によって、着用者をタカマガモリの中に転送してくれる」


「このモニターは?」


そう聞くと、急にモニターがピカッと光る。

画面には、見慣れたイナバくんの顔があった。


「僕が入って、ザクちゃんのアシストをしまーす!」


イナバくんがウキウキで挙手(きょしゅ)している。

相変わらずかわいい。

……が。


「それ、スマホでよくない?」


「まあまあ、スマホじゃあ出来ないこともあるし」


……電気代かかんないならいいけどさ。


「これを持たせても、俺としては不安で仕方ない」


ミタマが意見してきた。

まあ正直、私も同意見だ。


例えば、一瞬でこちらの意識を奪う道具。

もしくは、声も発せないほど動きを制限する道具。

そんなものを拉致誘拐犯が持ってないとは限らない。


……でもなあ〜〜!

薬飲まずに一日過ごすのは正直言って地獄だ。

今だって、なんとか頑張って頭を働かせている、けど。

正直脳内がモヤモヤして、難しいことを考えようとすると頭が痒くなってくる。


うあ〜〜!!


早速アタマを両手でバリバリとかきむしる。


「あれ?」


『瞬転移機』の中にまだいるイナバくんが、急に声を出す。


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