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92 疾走する青春


 僕は佐藤の方に思いっきり走り、佐藤の腕を力強く掴む。


「え!? 陸!!?」

「いいから、走るよ!!」


 僕らは、そのまま走り出した。

 どこに行くのかなんて考えずに。ただ走りたい方向に走った。


 夢中で走っていると、通りすがりの人の視線も、見られていることもどうでもよくなってきた。


「フッ、ハッハハハハハハ!!!!」


 急に聞こえた後ろからの笑い声に驚きはしたものの、つられて笑ってしまう。


「フフッ、あはははははは!!!」


 楽しいなぁ。

 こんな日々が――


 ――ずっと、ずっとずっと、続けばいいのに――


「ハハハ! 陸、大胆だね……ハハ!」


 佐藤は、僕に手を引かれながら後ろで笑っている。以前、僕が間違えて水風呂に飛び込んだ時のように。




「はぁ、はぁ……もう、走れない……。」

「疲れた……。でも、こんなに走ったのは久しぶりだな……。」


 僕らは相当走って奴らを撒いた。

 疲れた。すごく疲れた……。


「……どうする? もう帰る? でも、この時間に終わるのは、なんだか惜しい気もするけど……。」


 佐藤なりの気を使っての発言だっただろうが、まだゲームセンターに行っただけだ。


 それに、佐藤はまだ陸に悩みを相談できていないのだから。


 僕は首を横に振る。


「まだまだ遊び足りない!」


 カフェに行って……あと……他にもいろんな場所に行ってみたい!

 せっかく、家の家事から解放されたんだから。


 まずはカフェ。


「うわー!」


 今はカフェでメニューを見ているところ。

 いろいろありすぎて迷う。


「じゃ、俺これで。」

「え、何頼むの?」


「……何って……抹茶パフェだけど……。」


 きっと今、僕の目はキラキラ輝いているだろう。


「甘いのは食べないんだね。」


「そんなに甘いの食べないから。ていうか嫌い。トラウマ級。」

「そんなに?」


 僕はメニュー表を見て「うーん。」とうなる。

 ふと、一つの品が目に入った。


「じゃあ、僕はこれで。」


 そう言って僕は注文する品の名前を指さす。


「……やっぱり。」


 と佐藤は笑う。

 やっぱりそれを選ぶんだ、と言いたそう……ん? 思ってることってなんとなくわかるんだな。

 僕いつもなんで心の中が読めるんだろうって思ってたけど……。


「そうか……。こういう事か……。」


 いつの間にか口から出ていた。

 佐藤には聞こえていないからよかったけど。


 僕が選んだ品は、ショコラケーキだ。


 ロマンチックだなぁ……。

――バタッ(腐女子の馬場さんが倒れる音)

腐女子A「お察しします馬場さん。私も尊すぎて……ッ!」――バタッ

腐女子B「私も……これ以上は(鼻血のせいで)貧血に……ッ!!!」――バタッ

腐男子1「これは……純愛の極み……ッ!! グハッ!」――バタッ

 馬場さん達!!? ……いつの間に!? ……ちょっと誰か救護班を!!

???(いち)「ふむ、これはただ事ではないな……。」

 え、だれ!?

???一「私は尊さ警察だ。、」

腐女子C「!!??」

 いや謎の組織!!!

???二「ふむ……これは想定以上だな……。」

 だから誰!? ていうか二人目!?

???二「我々は、尊さが限界を超えた時のみ出動する……!」

腐女子C「……そんな機関が存在したなんて……!!」

 いや……もう……。(ツッコミ諦めようかなぁ……。)

腐女子D「うッ、ここまでせっかく耐えたのに……私も耐えられない……!!」――バタッ

腐男子2「尊すぎて心臓が……ッ!!」――バタッ

 待って待って、戦線崩壊してるんだけど!? 何!? 何なの!?

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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