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87 職員室へのお呼び出し


 朝・・・


「転校生を紹介します。」


 神谷先生が、転校生の事についてを突然発表した。


 ざわつく教室。

 俺もその一人だった。


「なあなあ啓介。転校生ってどんな子だろうな。美女がいいな。」


 隣に座るクラスメイトに声をかけられる。

 言っておくが美女ではない。


 というより、ホントに誰が転校してくるんだ?

 ……転校生が来るならもっと早く神谷先生が伝えてくれるはずだし、急だったとしても俺は()()()()()()()()()から伝えられているはず……。


「入ってきてください。」


 先生が廊下に声をかける。

 すると、教室の扉が開いて、例の転校生が入ってきた。


「……はッ?」


 入ってきたのは佐藤。これは知っているだろう。

 一時間ほど前の話だという事をもう一度伝えておく。これは、一時間ほど前の話だ。


「初めまして。転校生の、佐藤 (しゅん)です。」


 佐藤……シュン……って……。


「河東藤!!!??」


 勢いよく立ち上がると、椅子がガタッと音を立てた。

 急に立ち上がったせいで周りに注目された。


「……ああ、落ちこぼれの鬼桜(きおう)くんじゃないか。」


 佐藤も一瞬驚いていたがすぐに見下ろすような態度でそう言った。

 が、俺は頭に血が上っていたんだろう。返してはいけない返事をした。


「はぁ!? 俺は鬼桜じゃありませんけど!?」


 沈黙の時間が流れる。

 その沈黙を破ったのは転校生の佐藤淳。


「じゃあ誰だよお前。」


 佐藤は眉間にしわを寄せて言った。


 冷静な返事だ。

 その通り過ぎる。


「俺は……。」


 怒りに任せて返事をしようとして……やめた。


「俺はお前に落ちこぼれ扱いされる筋合いはない!」


 佐藤は肩をすくめてため息交じりに言う。


「ほぉ……。うぬぼれすぎだ。もう少し現実を見たらどうだ?」


「うぬぼれてなんかない!」


「じゃあ、お前はこっちに逆らえるほどの何があるって言いたいのか?」


「逆らうも何も、こっちが――。」


 こっちが正しい、と言おうとしたところで、間に神谷先生が入ってきた。


「「先生!?」」


 俺も佐藤もここで先生が入ってくるとは思っていなくて、声をそろえて驚きの声を上げる。

 教室の空気も、ピリピリとしたものから驚きの空気に変わった。


「そこでやめなさい。二人とも。」


 神谷先生がめったに出すことのない怒りを孕んだ声に、驚きが隠せない。


「佐藤さん、安藤さん。あなたたちの無益な争いは、周囲にとっての迷惑以外の何物でもありません。一時間目が終わったら職員室に来なさい。」


 二人は黙る。

 そして小さな声で「……ごめんなさい。」と言った。


ナ「神谷先生が強すぎる!」

 なんかの漫画のタイトル?

作「確かにありそう。」

白「右に同じく。」

ナ「そんなつもりは……。」

 神谷先生はあまり怒るタイプではない、と言っても、ほとんどが注意にとどまっているだけで今回のように怒る事はない、という意味で、教師として生徒を正しい道に戻しはしますよ。

ナ「わかってるよ。そのくらい。」

 本当に?

ナ「何なんだよ!」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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