80 星空に手を伸ばして
……爆発? なんで?
煙が立ち込める台所を見つめながら、思考が追いつかない。
混乱している。部屋から出ると、陸が階段にいて、台所から黒い煙が出ていた。
……ほんとに何?
「優斗さん。おはようございます。」
なんで陸はそんなに冷静なんだ?
普通混乱するだろう?
「あー。この家、壁も床も真っ白なのに……。」
確かに、台所周りの床や壁は真っ黒。掃除が大変そうだ。
「ごめーん。ほんとに反省してるって。」
原因は空のようだ。
ほんとに反省してるのか? へらへらしているが……。
さすがの陸も、これに関しては怒っているだろうな……。
「はぁ……。またいつもの業者に修理お願いする羽目になるよ。」
いつもの事なのか?
……確かに、慣れてはいそうだ。
対して驚きもしていなかった気がする。
……となると、空はどれだけ料理が下手になるんだろう。
………………。
……ダメだ。考えても仕方ない。
陸はスマホで電話をしている。おそらく、先ほど言っていた”いつもの業者”だろう。
ただ……。
(大音のせいで頭が痛い……。)
うるさすぎだ。
「……ぁ。」
夜。目が覚めてしまった。
ベッドから体を起こす。だるさはあまり感じられない。……たぶん。
人より感覚が鈍ってるから、だるいのかだるくないのかわからない。
陸が床で寝ている。
いつも床で寝ているので床でもよかったが、その気持ちは陸には伝わらなかったそうだ。
……千代たちは、どうしているだろう。
さっきはそこまで頭が回らなかったが、心配だ。
寝れそうにもないし、家の中を探索してみるか。
部屋を出ると、ずっと気になっていた階段の方を見る。
(ここは二階だ。外から見ても三階があるようには見えなかった。)
気になる。
階段を上ると、両開きのドアが見えた。
相変わらずの両開きドア。
(……屋上だ。)
上を見ると星がいくつも見える。
昔、星は死んだ人の数だけあると思っていた。だから、自分も死んだらああなるのだと。
『もしそうなら、なんで流れ星があるんだろうね。』
――今もたまに会う、『親友』の言葉。
『……それは、人が死んだからじゃない?』
『だったら一日中ずっと流れ星が流れてるはずだよ。病院の上なんかいっぱいありそう。』
懐かしい。
病院の上に流れ星があれば病院の意味がないじゃないか。
この話をしたのはいつだったか。昼間だ。昼にこの話をした。明るかったのを覚えてる。
夜は好きじゃない。いい思い出はない。
(でも、星は好きだ。)
空の星に向かって手を伸ばす。
風が吹いて髪が揺れる。緩く結んだだけで三つ編みにはしてない。だから長い髪が左手に当たった。
少し、くすぐったい。
「あれ? 先客?」
あーあー、マイクテス。マイクテス。よし、正常だな。今日も元気に、後書き書いて……
ナ「でもこんな感動的なシーンで俺たち後書き組が邪魔していいの?」
白「ダメだよね?」
作「そうなの?」
うっさいな~。私は私のやり方でいいじゃん!
作、ナ、白「だめ。」
ゔッ!!