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70 最悪の帰路

緊張感とドラマ性を強調

「神は俺を愛さない」

「最悪の帰路」

「黒雲の下で」

「約束された絶望」

「運命の境界線」

物語のテーマを活かす

「拒絶された願い」

「命の保証はない」

「土下座の行方」

「最後の選択」

「愛されない者たち」

伏線や謎を意識

「沈黙の代償」

「影に囚われし者」

「封じられた約束」

「運命の迷宮」

「消えた記録」


 ドアのない部屋に入ってすぐ耳に入ったのは……。


「お願いしますッ! どうか、もう一度チャンスを!」

「ダメよ。」


「そこをなんとかッ!!」

「ダメなものはダメ。」


「お願いしま……!」

「何度言っても無駄だから。ダメったらダメ。返事はNo。」


「……何してるの?」


 そこにいたのは、土下座してる光莉と光莉に謝られてる? 筮さん。

 その様子をボーっと見てる優斗さんと、それをゴロゴロ見てる紗代さんがいる。


「なんだこのカオス……。」


「割と前からこうだよ?」


 紗代さんは割と前からこうだと言うが、なら止めてくれ……という感じだ。

 止めてやれよ。


「光莉ちゃん。何してるの? ほんとに。」


「…………え?」


 千代さんが光莉に聞くが、光莉は答えるつもりはないらしく黙り込む。

 筮さんはそんな二人の様子と、今部屋に入ってきた僕を見てため息をついた。


「はぁ。いいわよ。やってあげるわ。」


「え!? いいんですか!? ありがh」

「ただし、貴方も手伝う事。それと、できるだけ守るつもりではあるけど、命の保証はないから。」


「はい! わかってます!」

「何の話?」


 ほんとに何の話? 命の保証がないって……どういうこと?

 命の保証がなくてもいいからやりたいこと、やらなきゃいけない事って何?


「……あれ?」


 僕はその辺でだるそうに寝転がっている優斗さんを見る。なんだか具合が悪そうだ。

 顔色も悪いし、なんかいつもより元気? が、ない? ……?


 優斗さんの額に手を当てると、明らかに熱があった。


「千代さん。優斗さん熱ありますよ。」


「うそ! ……え? うそ……? ……本当に……?」


 千代さんの顔が青ざめていた。なぜかは分からない。


「熱があるなら帰った方がいいんじゃないの?」


 筮さんが眉を下げて心配そうに言った。


「筮さん……。家まで連れて帰りたいけど、まだ仕事が残ってるし……。」


「あ、じゃあ、僕送りましょうか?」


 仕事もなくてヒマだから、送ることはできるはず。


「いいの? じゃあお言葉に甘えて……。」


 ということで、優斗さんを家まで送ることになった。

 千代さんに住所教えてもらったから、行けない距離ではないし、さっさと送って戻ってこよう。


 旅館を出て空を見る。

 空には厚い黒雲が広がり、一雨降りそうだ。


「優斗さん、なんだか雨が降りそうですね。天気予報では台風は明日って言ってたのに……。洗濯物干したままなんですよね……。大丈夫かな……。」


―――


 ……最悪だ。まさか、熱を出してしまうなんて。

 あの家に帰るくらいなら、熱の方がましだ。骨が折れた方がいいんじゃないかといつも思う。なんなら、車に牽かれて病院送りになった方が……。

 いや、だめだ。もう戻らないと約束したし、いまさら戻れない。


 それに台風なんて……。


 優斗は空を仰ぐ。泣き出したい気持ちを押さえて。


 ああ、神はやっぱり俺らみたいな者は愛してなんていないんだ。

 本当に……。



 最悪だ―――。


ナ「帰るべき場所が、必ずしも安らぎの場とは限らない。それが“最悪の帰路”という言葉の意味だ。」

 まるで自分事のようだね。いや、実際そうなのかな?

白「……つまり、帰ることが罰みたいなもんってこと? それ、ヤバくない?」

 君、記憶の迷子センターに行って来たらどうかな?

作「え? でも、家ってみんなが帰る場所でしょ?  それなのに……。」

 ……もし“最悪”って思っても、その先に何か救いがあるかもしれないよね?  それとも――本当に、救いなんてないのかな。

作「え? じゃあジャンケン負けたから家に帰れ~みたいなことがあるってこと?」

 ……え!? そ、それはさすがにないんじゃない?

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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