63 兄弟の境界線
62話の後? それとも同時期かな?
○○君の一人称何だっけ……。覚えてる人教えてください。
「本当に壊してよかったんですか?」
○○…いや『白髪緑メッシュの子供』はそう問う。
夕日を反射しキラキラと光る白い髪に、透き通るような白い肌。
赤とオレンジの綺麗な瞳。
これだけ聞いたらアルビノを疑うが、このお方はアルビノではない。
生まれたときは、日本人形のような黒髪に黒目だったという。
このお方は警察? のコスプレをしており、ニコニコとあちらの様子を見ている。
あのお方なんて遠回しな言い方はやめよう。
『月リーダー』だ。
「いいんだよ。」
月リーダーはいつも通りの笑みを浮かべて答える。
「せっかくのGPS機能付きビー玉なのに…。」
「いやいやッ、怪しまれてる時点でどうにかしないとなーって思ってたし。
時間が無いからって理由でちょっとだけ光ってるの見逃しちゃったの後悔してるから。」
だ~いじょうぶだよ、と言って悠長に笑っている。
すると、後ろから声がした。
「光流が記憶の一部を思い出したのも計画の内ですか?」
「そうなん~? せやったら大分天才やとおもうけどなぁ?」
はきはきとした喋り方とゆったりとした喋り方。
対照的な二人が話しかけてくる。
この二人は『花ちゃん』と『二日酔い』だ。
風呂場で陸くんたちと会ったときはだいぶ驚いたけど、二人はあんまり気にしないタイプ。
『花ちゃん』の長い紫色のツインテールが風で揺れる。
その隣に立つ『二日酔い』の青いインナーカラーの髪は揺れない。
べつに彼の髪が特別重いわけじゃない。
逆に彼の髪は軽い。……だが、この説明をするのは今じゃない。
「いやいや、それはさすがに計画には入ってないよ。そこまで頭がいいわけじゃない。」
月リーダーは笑いながら言った。
「あれ?」と言葉を続ける。
「××は?」
その言葉を聞いて皆周りを見渡すが××の姿はない。
しばらくして、××がどこからかスッとあらわれる。転移魔法を使ったらしい。
「何でしょうか。」
「いや? どこにいってたの?」
「あたりを見て回っていただけです。特に報告できるようなものはありませんでした。」
いつもどうりのつまらない答え、だ。が。この言葉をそのまま受け取ってはならない。
報告できるものはある、と言っている。なぜそう言うのかは分からない。こいつの言うことは何一つ理解できない。だがもう慣れてしまった。
「兄さま。こちらはこちらでビー玉を割った上に月さまの妹さんに罪を擦り付けたことを話しておりました。」
『酔っ払い』が少し話を盛っている。
薄っぺらい笑顔を向けながら話す『酔っ払い』の姿に、母は違えど兄弟なのだから兄の前でくらいは本心で話せばいいのにと思う……。
が、兄も同じなので弟も、という事だろう。
あと兄と話すときだけ標準語になるのやめてほしい。昔の名残か?
「話を盛らないでいただけますか? ところで、そのビー玉は何か特別なものでしたか?」
話を盛るな、つまり、すべて見ていたのか? この兄弟、似ていないようで、似てほしくない部分だけが妙に似ている。
「GPS機能付き……。」
本日、5月9日は、わたくしの誕生日です。
作「そう言うのって大体、投稿日に合わせるもんじゃないの?」
白「ま、とりあえず誕生日ってことで、おめでとうって言っとけばいいの? ……いや待てよ、プレゼントを要求する権利は発生しないの?」
するわけないでしょ?
ナ「誕生日ってさ、一年の中で特別な日だよね。これまで積み重ねた時間と、これから始まる時間が交差する……そんな感じがするんだ。」
作「誕生日の人ですらないよね?」