60 認識阻害の妖術と気砲弾
なげぇ。でも分けるわけにもいかないからな……。いつも千文字くらいに抑えてるのに短編書いてたら千文字で抑えられなくなって1514文字になっちゃった。
運命の糸は、いつだって予期せぬ方向へ絡まりながら紡がれる。
その先に待つのは、誰も予測できない展開——。
気砲弾が切り開く新たな可能性と、密やかに動く影。 物語の核心が動き始めた今、あなたの目で真実を追い求めてほしい。
Byナレーターさん
「ちょっと佐藤。」
警察からの事情調査が終わり、一人で立っていた佐藤に話しかける。
もちろん映画のワンシーンにありそうな背中に声をかけるのは気が引けたが、声をかけないわけにもいかない。
陸は静かに佐藤を見つめた。その視線には、過去に共有した何かを思わせるものがあった。
「ん? 何?」
風が吹いて髪が揺れる。
振り返った佐藤の顔は、無表情ではなかった。
ちょい前
「驚いたわよ。」
パトカーに乗せられる直前、園長は遠くに話しかける。
そこには、陸のもとに向かうアルビノの姿が。認識阻害の妖術を使っていて、存在を認識しずらい。
「まさかわざとビー玉を割るだなんて。」
遠くからの気を使っての破壊だった。
下手に発言しようものなら殺気の籠った視線を向けられる。
「いつ殺されるかとひやひやしたのに。」
一度ため息をつく。
そりゃあ、光莉たちの手に渡るように優希に渡せと言って渡してきたのに、わざわざ壊すなんて。
気砲弾使ってまで園長の着地地点をずらす。避けるのが一歩遅れてたら死んでいたかもしれない。
気砲弾や妖術は、この世界の人間でも使える魔法の一種。
ただ違うのは、生まれ持った物ではなく、努力しなければできない事。
そしてもう一つ。妖術は、昔の人間なら仕えたが現代人には使えない。
気砲弾は機械を使ってカバーしたらしいが。
「これでもう、お金の仕送りは出来ないよ。兄さん。」
陸のもとに向かおうとしていた兄がこちらを向き、聞こえているのか聞こえていないのか、いつもどうりの怪しい笑みで小さく手を振っていた。
同時期
佐藤は一人、倉庫の裏にきていた。
倉庫の中の埃っぽい空気とは違う空気を胸いっぱいに吸う。
「出てきていいんじゃない? 俺しかいないよ?」
倉庫の陰に話しかける。
「海斗。」
サァ……と風の音が心地の良い音を奏でる。
「年にはかなわないんじゃなかったのか?」
「まだそんな年じゃない。」
第一声がそれとは。
さっき遊園地であったとはいえ、数年ぶりだろ?
「海斗。数年ぶりの再会でそれは……。」
「はいはい。何が言いたいのかくらいわかりますよ。」
「チッ。」
「舌打ち……。」
「何のこと?」
「お前は記憶力に人一倍たけてるんじゃなかったのか?」
と、数年前にも同じような会話をした覚えがある。
「とんだ茶番だ。」
「すごく失礼だ。」
貼り付けた笑みを浮かべながら言っているのが手に取るようにわかる。
当たり前だ。
手に取るように分かるように育てられたのだから。
「で、要件は? 世間話しに来たわけじゃねえだろ?」
「ああ。話が早くて助かるよ。」
「はいはい。」
さっき見た、奇妙な光景を思い出す。
スローにして、アップにする。
静かに目を閉じて、一度考える。
「弁護士……いるだろ?」
思い出しながら、話しかける。
「園長先生と呼ばれていた人物の身元を調べて。」
「言われなくとも、さっきやった。」
「じゃあ園長が踏み割ったビー玉の破片を調べて。踏み割る前、不自然な動きをした理由も。あと、踏み割れる前に聞こえたパンッ、という小さな音の正体。われた後に見ていた方向に何があったのかも。」
「はいよ。あ、そーだ。来夢と水上さんが怒ってたぞ~。」
来夢と水上。怒っていた理由はなんとなく分かる。
あの二人は怒ると怖い。
「……もう他人だ。と伝えといて。」
「いやだよ。そんなことしたら俺が怒られる。」
相変わらずの自分勝手だ。
「じゃ、陸……いや、陸様来たから俺帰るわ。じゃな。あ、お前が陸のそばにいる限り、俺らとの接触は避けられないからな。他にも聞きたいことはあるが、時間もやべぇし、さっさと引き上げないと怒られるから。じゃ。」
聞きたいこと、とは魔法の事だろうな……。
「ちょっと佐藤。」
陸に話しかけられたから振り返る。
もうさっきみたいな無表情なんかじゃない。
「何?」
なんですか、と聞きそうになった。
海斗の「陸様」につられて。
はいど~も。(テンションダダ低い)
妹にこき使われる姉の翆雨ユイカです。
「暇そうだし60話の後書き書いて~」って言われたので今いますけど、後書きは作者が書くもんやろ。
しばらく読んでないし?話の内容もわかんないんだよ。
大☆絶☆賛☆反☆抗☆期☆突☆入☆中
……の我が妹をどうにかしてくんないかな。
書くことないし、話すこともないですけど………………。
(奥にいる妹に対して)「宣伝してい~?」
(落ちた鉛筆削りを拾う妹)「いいよ~」
というわけで前言撤回、話すことがありました。
書記当時ですが、ここ、「小説家になろう」と「カクヨム」で「翆雨ユイカ」で活動しています。古いのは本当に読みづらいですが、そちらも読んでくださると嬉しいです。
(書き終わった翆雨)「これでい~?」
(反抗期中の妹)「な~~~~~~~………別にいいけどぉ………。」
(翆雨)(最初の「な~~~~~~~」は反抗期の事ですかね。)