56 溢れ出す激情
ユウトの感情の蓋が吹っ飛んでしまった!
リクはどうする?
止めに入る ❙リクは勇気を振り絞り優斗を止めに動く
→残念! チヨに止められてしまった!
黙ってみてる ❙リクはその場で立ち尽くし見守る
▷動けなかった ❙リクは恐怖で体が動かなかった
逃げ出す ❙リクは恐怖に駆られてその場を離れる
→後ろには筮、横には佐藤が!
だれかに助けを求める❙リクは頼れる人を探そうと動き出す
リクが何を選ぶかで、優斗の未来が大きく変わることになる——あなたならどうする?
狐塚鬼樹(略してキ)「ちょっとナレーターさん!? 遊んでないで仕事して。」
はーい。
えーゴホン。
優斗の感情が揺れる瞬間。それは仲間たちに何をもたらすのか——どうぞその目で、ご覧ください。
あなたが誰かに抱く信頼が裏切られるとき、その怒りはどこへ向かうのか——そんな心の物語を改めてお楽しみください。
「さっきから黙って聞いてりゃごちゃごちゃごちゃごちゃ、五月蠅いんだよ。」
そう言った優斗の目には怒りと、憎しみ、それと、ほんの少しの悲しみにあふれてる。
優斗はこみ上げてくる怒りに……事実を知ったあの日、植え付けられた感情。
あの時の自分の中にある辞書では表せないほどの強く、熱い何か。
それを知ったあの日からの絶望と苦しみ、感じるたびにフラッシュバックする友達の心配と悲しみと困惑の顔、そして大人と自分への嫌悪感。
一個人が背負うには重すぎるその感情に、勝てる人間は、この世界には存在しない。
陸は優斗を横目で見ながら、その拳が震えていることに気づいた。
だが、優斗の感情を知らない陸は今…
(優斗さーん!? えッ、優斗さん今人蹴っ飛ば……?)
という事を考えていた。
そして優斗の思いを聞いてはいる千代は…
(優斗……そんなに怒ってたの? ……。)
と、思っていた。
「お前らは俺らをストレス発散用のおもちゃ、とでも思ってるのか!?」
一度喉を通った言葉は、もう、戻すことはできない。
優斗は一度息を吸い込み、抑えようとしたが、それでも感情の奔流を止めることはできなかった。
優斗は冷静さを失い、感情のままに言葉を放つ。
「優斗……。」
千代から発せられた声は小さい。
静かなところであれば十分聞こえるだろう。
だが、冷静さを失った優斗に、その言葉は届かず、埃の舞う空気の中へとけて、消えていく。
埃が光の筋の中で漂う様子を見た千代は、息苦しさを覚えながらも優斗の声に耳を傾けた。
「お前らの勝手な都合に、振り回すな!!」
「優斗……!」
「お前たち大人はみんなクズだな。アイツも、お前も、そのほか、俺がかかわってきた奴らも!」
「もういい…!」
「いい人だと思ってた。思ってたのに……。」
優斗は奥歯をかみしめながら言った。
その目にはいろんな感情が入り混じり、でも、大人への憎悪と、自分への嫌悪感が強い。
優斗は思っていた。
自分がかかわったから、いい人だった大人たちが変貌したのではないか、と。
「どうして大人は、おのれの欲望のために、おのれの欲望の為だけに! 周りを巻き込むんだ!!」
「もういいって……。」
「その欲望のために利用された人間の心に、」
「やめてよ……!」
「どれほどの穴が、嫌悪感が、自殺まで追い込む苦しみが、植え付けられてしまうのか判らないのか!!!」
その言葉を聞いて、千代は大きく息を吸い込む。
「もういいよ!!!」
そう言った千代の目からは、大粒の涙が流れていて、その声を聞いて、我に返った優斗は、千代を見て、驚いたような、悲しそうな顔……を浮かべていた。
その後、すぐにいつもどうりの無表情に戻った。
一個人が背負うには重すぎるその感情に、勝てる人間は、この世界には存在しない。
白「この世界には?」
ナ「たしかに、は、をつけるとは、不思議な表現の仕方だね。」
そう? まあ、これほどの重圧に堪えられる人間は、人間じゃないね。
作「化け物だ。」
自分がかかわったから、いい人だった大人たちが変貌したのではないか、と。
作、白「そんなことないよ!!」
お静かに。たしかに、そんなことはありません。自意識過剰です。
ナ「それはさすがに言いすぎ。」
そんな事よりナレーターさん?
ナ「はいはい仕事しますよ。
この話を書きながら、怒りがどのように人間を形作るのかについて改めて考えさせられました。
優斗の怒りに何か感じたことがあれば、ぜひ教えてください。
皆さんの考えが次の創作のヒントになるかもしれません!
こんな感h」
作、キ「いいね等もよろしくね!」
白「こら!」