50 はいはい、適当になずけようかな。じゃあ…「黒子」
「あ、そーだ。」
海斗はいなくなる寸前に何かを思い出して止まった。
「陸、頭いいから、ずっと訊きたいなって思ってたんだけど、花園…華園でさ、一回だけ放送事故みたいなのがあったんだよ。
……今、忙しそうだから、後でライン送っとくわ。」
「あ。うん。ありがと(?)」
海斗はそのあと、すぐにどこかへ行ってしまった。
どうやら、お化け屋敷に行くらしい。なぜあんなところへ行きたがるのだ…?
筮さんは海斗の気配が完全になくなったのを確認した。
「よし、いいわよ。光莉。」
「はい。じゃあワープしまーす。」
強い風が吹く。砂が目に入りそうになって目を閉じる。
気が付くと、しらない倉庫の中にいた。
倉庫の中は薄暗く、古い木箱や埃まみれの工具が散乱していた。
どこからか微かに風が吹き込み、錆びた鉄の匂いが漂っていた。
ーーー
「はぁー。」
俺、海斗は小さくため息をつく。
そして、気配を殺す。
完全にとは言わずとも、ここには大勢の人がいる。どれだけすごくとも、この時代に生まれた生命では感じ取ることは不可能だろう。
……今の名前は佐藤だったか?
…佐藤は俺に気づいてそう。
そう思う理由は、血のつながりがあったりするものの方が気配を感じ取りやすいからだ。
あいつとは、物心つく前から一緒にいた。仕方ないと言えば仕方ないか。
佐藤は記憶力が人一倍いい。映像記憶能力と言う奴だ。
そのおかげで昔見たものや聞いたものは、まるで録画されたビデオのように何度も見れ、速度を変えてみることもできる。
それは匂いや痛みなどの、五感も例外ではなく、ついでに感情も。
だから、教科書を一目見ればテスト勉強なんて終わる。
そういう面ではどう頑張っても佐藤にはかなわないな。
俺は身体能力が高い。加えてエコーロケーション、反響定位という能力がある。
そのせいで猿、脳筋、と言われる。
反響定位を使えば、声の跳ね返りから周囲の空間を詳細に把握することができる。海斗は目隠しでも、障害物を軽やかに避けることが可能だった。
俺の仲間の小柄で猫かぶる奴は毒体制がありテトラクラマシ―、つまり4色型色覚。
もう一人の方は絶対音感。しょぼいと感じるかもかもしれない。確かに他の者には劣っているが、そのほかの部分で補っている。
陸にも特殊能力がある。本人に自覚はないが、共感覚、というやつだ。
簡単に言えば色彩感覚が鋭い。絶対色覚……か?
それは今どうでもいい。
この間佐藤が陸に忘れているという事を言ってしまった。
あの時はつい殺気を放ってしまったが、不可抗力だから、たぶん許してくれるだろ。多分。
「おい。」
そう呼ぶと、後ろから黒子のような恰好をした男が数人と、俺と同い年くらいの子供が二人、上から降りてきた。
さっき説明した、超能力を持つ仲間の二人。
「車を出せ。追うぞ。」
黒子は静かにうなずき上に飛ぶ。おそらくそこらの建物の屋根に乗って聞いていたのだろう。
車に乗って陸たちを追いかけていた時。
車の窓を開ける。
世界的に珍しい。……いや、人間にはない赤い髪が揺れる。そして静かにつぶやいた。
「警察を恨まないでやれよ。今行かれるのは都合が悪いんだ。
上からの圧力で今は動けないだけだ。すぐに助けに来てくれるさ。」
警察は、葵の事件に直接介入することを禁じられていた。
政府高官が関与している可能性があり、慎重を要するという判断が下されていた。
いやーばらすつもりはなかったのですが……。というか本当はばらさない予定だったのです。
作「製作者側の意見は知らん! それより、××くんたちと関係は?」
ナ「あるの?」
ないよ? と言うか聞いてよ作者ー。一番最初に書き始めた短編がまだ完成しない……。今50,000文字なのに……!!
作「モグモグ」
ナ「へーソウナンダ(棒)。作者何食べてんの?」
作「モッチャモッチャ……ゴクン ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ ゲプッ。そこに置いてあったタピオカ。」
私のーー!!!!
ナ「さっきので全部飲んじゃったみたいだね……。」
作「タピオカだけ残っちゃった。……はい。」
要らないよ!!!?