47 推しの力を語る海斗、ドン引きの連鎖
「3000万なんかすごいに決まってる!!」
おお……。急にしゃべるとびっくりするよ?
「俺は、誰が何と言おうとラル様推し。来世でも来来来世でも推します。」
その頃ラル様生きてないだろ。
それに、転生なんかあるわけないし……。
「はぁ……海斗、」
「海…、もういいよ。優斗さんと千代さんがドン引きだから。」
佐藤が海斗を止めようとしていたが、それで海斗が静まるとは思えない。
実際優斗さんと千代さんがドン引きしてるのは事実だし。
「俺はラル様のリル様の声聞いたら一発で分かる自信がある。なぜなら電車の中でもトイレでも、暇さえあれば見ているのだから!!」
呼吸をするように見てるって言いたいんだろうな。
さっきのドン引き攻撃は聞かなかったか。
でも、その言葉を聞いて優斗さんと千代さんがさらにドン引き。千代さんは自分より背の高い優斗さんの後ろに隠れてるし、優斗さんは、一見何も変わってないように見えるけど、よく見ると眉が下がっていた。
優斗の顔は無表情を保ちながらも、目だけが困惑で揺れていた。
「…………………。」
あきれてものが言えない……。
「優斗、ちょっと。」
そんなことを思っていると、千代さんが優斗さんの袖を引き、どこかへ行ってしまった。
はあ……、こんな海斗に呆れてどこかへ行ってしまったんだろうな……。あとで誤っておこう。
「陸? なんか失礼なこと考えてるんじゃない?」
またしても海斗に心を読まれてしまいました。
ふと光莉の方を見ると、青ざめて小刻みに震えていた。
光莉の唇は震え、言葉にならない恐怖が瞳に宿っていた。
葵を心配しているのかと思ったけど、どうやら違うようだ。
「……しよう…。」
「ぇ?」
「どうしよう。私のせいで……また…。」
「また? 二回目って事?」
光莉に話しかけると、光莉はバッと顔をあげた。
しかし、次見たときには、光莉の顔は青ざめてなどいなかった。
「? 私、そんな事言った?」
「うん。言った。」
「なんでだろう?」
光莉は、正直心当たりがあった。
佐藤と初めて会ったときにかかってきた電話の相手。その人がやったのかもしれないと思った。
でも、光莉は筮さんに言われていた。
絶対、感情を表に出してはいけない、と。
なぜかは教えてくれなかった。ただ、信用できない者の前で、感情を表に出すなと。
筮さんの言葉の奥には、何か隠された真実があるように感じられた。
筮さんは陸の事を信用していない。なぜなら怪しすぎる。
理由は警戒心のなさ。
名前も知らない人に言われて外に出たときもそう。まるで、最初から仕組まれているかのようだった。
そういえば、兄弟がいるんですけど…。
ナ「リアルの?」
違うよ? こっちの世界線の。
作「そりゃきょうだい位いるでしょうよ。」
そうじゃなくて、妹を追加しようと思ってて。
ナ「誰に?」
ナレーターさんに
ナ「いいね! ほしいほしい。」
ナレーターさんとは血のつながりないけどね。
ナ「それでもいいよ! 名前は?」
作「ちょッ! それはネタバ…」
どうしようか迷ってるんだよねぇ……。時代設定的にむずいんだよなぁ。
作「いっちゃうんだそれ。」