40 魔法はあくまで二番目♪
※BLではありません。(要素はございます。)……どこからどこまでがBL何だろうか?
それから、僕は佐藤に僕が知る限りのすべての事を話した。
魔法の事、光莉、光流…葵の協力者の筮さんや優斗さんたち、あと……葵の性別も。
そして――
「だッ、大丈夫?」
「大丈夫に見える? ちょっと今人生で二番目に気が動転してるかも。」
「二なの!?」
佐藤が眉間にしわを寄せて考えてるから、僕はもう少し佐藤の方によって眉間のしわを伸ばしていた。せっかくの綺麗な顔が、しわなどついたら台無しだぞ。
というか、これが二なら逆に人生一気が動転したときのことを聞かせてほしい。
「ああ、知りたい? あれは」
「人の心を読まないでいただいて?」
なぜわかるのだ…。
「人生一気が動転してた時は、身内の事故死と親の会社の上司の息子の記憶喪失だよ?」
「え同率一位なの?」
記憶喪失って……ご家族もつらいだろうな……思い出せただろうか…。
「ああ、もう思い出せないから、逆に家族は思い出させないようにしてるよ。」
「だから人の心の中を読まないでいただいても?」
ほんとにどうしてわかるんだ……。
ここまで来たら三位が気になるよ。意外としょぼいだろうな……。
「それは、学校で…始めて陸に合った時だよ?」
「だから人の心の中を」
人の心の中を読むな、と言おうとして声を出すと、急に佐藤が顔をあげた。
急だったのでびっくりしたが、佐藤が見ている方を見ると、人の声がした。
「あー疲れたー。ゆっくりあったまろー。」
「気を付けてくださいよ。ここに長居しすぎてはいけません。」
「う~、うるさくせんといて~。二日酔いなんやけど……。」
少し遠いので聞き取りずらいが、たわいない会話のようだ。
佐藤が警戒しているように見える。なぜだ?
「はぁ~。」
「どうしたの?」
今度は女風呂の方から声が聞こえてきた。
佐藤の方を見ると、顔が青い。
女風呂の方から声が聞こえてきた瞬間、顔が青くなった。
佐藤は眉間にしわを寄せながら、一瞬息を止めるような顔をしていた。
その手は小刻みに震え、彼の視線は女風呂の方向へと動かない。
「陸、早く出よう。」
「ぇ? 急にどうしたの?」
「ふっふっふー、私から逃げられると思うなよ?」
「どうしたの? アスモデウスちゃん。キャア!」
「おッ、花ちゃん着やせするタイプとは知ってたけど、ここまでとは~。」
女風呂の方からの声は楽しそうだが、佐藤の顔は青い。
楽しそうな声を聞いたら、自然と楽しくなるものではないのか?
「…そうだね、出ようか。」
魔法の事を話すという目的は達成されたし、佐藤は顔色が悪いから、出た方がよさそう。
佐藤は何か焦っているようだけど、どうしたんだろう。
体を拭いて、服を着た。
佐藤は服を着た後も、タオルを頭から被って、なぜか、顔を隠しているように見えた。
前が見えなさそうだったから、手を引いて歩く。
なぜ佐藤はこれほど焦っているのか? 陸はその理由を掴めないまま、ただ佐藤を手で引いて歩いた。
すると佐藤が急に立ち止まるから、佐藤の方を見るとお風呂に入りに来た人にぶつかってしまった。
ナ「えぇ……花ちゃんとアスモデウスちゃんって誰~?(棒)」
作「まだいたの……。はぁ…調べたけど、アスモデウスとはあくまで、何の悪魔と言うと…」
わー!!!!
作、ナ「うるさいよ。」
ごめんね。それはネタバレだから…あッ、気になっても調べないでね皆様!
作、ナ「ブックマーク、いいねしてくれたら調べてもいぃーいよぉ~。」
こら勝手に!!
作「だって大したものじゃないでしょ?」
ナ「そうそう。」
大したものなの!!