2 見たことのないもの。
ブックマーク、いいね、よろしくお願いします。
25,9,2書き直しましたぁ。
お兄さんと話して少なくとも誕生日なのに忘れられているという虚しさが少し軽くなったので、別に外に出なくてもよかったのだが……。
皆様ご存じの通りお兄さんは仕事仲間に呼ばれて行ってしまいました。
となると、もうあそこにいても暇なだけなので、周りを見て回る事にした。
廊下に出ると、和服を着た人と、たくさんすれ違う。説明が遅れましたここは旅館でございます。
……いまさらだが、パーティー会場として使うか? 旅館を普通、使うか?
お兄さんは、側近が選んだと言っていた。
じゃあつまり、その側近のセンスが絶望的ということだろうか?
……いや、そんな奴が場所選びを任されるはずがない。
お兄さんの言葉を解釈するなら、社交界の場としか思っていないのだろう。
利用……は、わざわざ考えずとも利用されてるんだろうな。『されてるんだろうか』っていう疑問形どころじゃない。
下を向いて歩いていると、すれ違った人とぶつかってしまった。
「ごっ、ごめんなさい!」
「え? ああ、大丈夫ですよ~? それにしても、道に迷われたんですかぁ?」
どうやら、ぶつかった人もここにとまっている人らしい。
この人……成人してるだろうけど、年齢が読めないな……。
「ボク、ここの常連だから、道分かるし、ここで働いてる人とも仲いいから分かるけど、いい人たちばかりだから、迷っても安心だよ? いいところだよねぇ」
………………教えてもらっといて失礼ですが、僕は今、この話が頭に入ってきません。
この人が男の人か女の人かで悩んでます。でも、服装的に……
「蒼真義兄さん!」
すると突然後ろから大きな声が聞こえてきて、振り返ると、僕がぶつかってしまった人、おそらく蒼真さんが声をかけてきた人の方へ走って行った。
「ごめんね! じゃあボク呼ばれたから!」
は、はぁ……。
犬みたいだし、なんだか年齢の読めない人だったなぁ……。蒼真って事は男の人だろうけど。
「――え?」
僕は蒼真さんに小さく手を振り、廊下を歩いていくと、思わず声をあげてしまった。
そこで見たものは――
人が、壁に入っていくところだった――。
読んでくれてありがとうございます。
言っとくけど蒼真さんこれから先あんま出てきません。忘れちゃってもいいかも。