286 END 章終わり
今更なんですけど、今日(25,10,20)、この作品にR15指定を設けました。
さすがにマズいなと思ったので。
――ゴクン
少し上を向いてゆっくり嚥下すると、喉が上下に少し動く。
味については……まあ、あまり触れないでほしい。一言でいえば、鉄だった。
弥一の方へと振り返る。
そこには、足が折れ、眼球がほじくり出された少年の死体があった。
体はもともと冷たかったため体温の違いはよく分からない。でも、もう呼吸していないのは確かだった。
抵抗する間も与えられず、笑顔の友人に殺された気分はどうだっただろう。
まあ、今となっては友人と言っていいのかすら分からないが。
もう一つの目玉も取ってしまおうと弥一の顔を覗き込んだ時、心臓がキュウゥと締め付けられた。
絶望の色とは一味違う、暗い目の色だ。
ゾクゾクする。感情の制御は出来る方だが思わずほおが緩んでしまう。
いいなぁ、取ってしまうのがもったいない!
――それでもこのままだと、結局燃やされるだけなんだよな。
だったら、弥一だって俺に食べられた方がいいはずだ。きっとそうだ。
取った目玉を手の上にのせる。ぬめっとした感覚はあまり好きではないが、その感覚さえも、俺の事をゾクゾクさせた。
目を口に入れた瞬間、崖の上から
「うわあぁぁぁぁぁ!!」
という大きな叫び声が聞こえてきた。
驚いて目を丸呑みしてしまい、喉が詰まりそうになった。
その後瞬きする間もなく、上から崇兄上が降ってきた。
「あ……兄上!」
「鏡! 良かった、無事だったんだな!」
崇兄上は顔色を明るくし、俺に抱き着いて来た。
しかし、そこにある弥一の死体に気づいたのか、俺からパッと離れた。
崇兄上は俺をじっくりと見つめる。
「……鏡、お前がやったのか?」
少し眉をひそめて言う兄に、だったら何ですか、と問いたくなった。
結局その問いには答えず無駄な時間が流れてゆき、しばらくして、上から声が聞こえてきた。
「崇さま、大丈夫ですか!?」
どうやら、見張りが遅れて到着したようだ。
「あ、ああ! 鏡と……ちーちゃんも一応! いは……したけど……」
なんか文句あるんかい。
俺は崇兄上を思い切り睨んだ。
それから何十分かして、警察が到着した。
本来ならば罰せられるところを、うちの親は俺の罪をもみ消した。
残香鬼だからだ。でなければ、あの両親がこんなことするはずがない。
雪山から降りている途中、俺は一人つぶやいた。
「はぁ……――」
胸に手を当て、満面の笑みで。
「――胸がいっぱいだ」
鏡の過去編、END
知ってます? 京都弁の「白い着物も似合うんとちゃいます?」って白装束が似合うねって意味らしいです。
ナ「つまり〇ねと」
まあ、噂なので本気にはしないでほしいですが……それで私考えたんです。京都弁の悪口。
白「……ほお。言ってみて」
「良い時計してますな」
(約:会話が長引いてますよ)
「さっきからずっと話してますけんど、よう勉強してはりますな」
(約:さっきからずっと話しているけど、その話には興味ありません)
「それにしても、他では見たことないくらいええ服のセンスしとりますね」
(約:見たことないくらい服のセンス絶望的ですね)
「白い着物も似合うんとちゃいます?」
(約:白装束がお似合いですよ、とりあえず〇ね)
作「うん……何か、うん……」
まあ、あくまで噂だし、どのくらいホントなのか私は分からないから、本気にしないでね☆




