281 愛に付け込んで
祖父母の家から投稿しています☆
・弥月の死=ミス
→「今度こそミスなんてしない。死なせない」
・弥一=代用品であり物
→「……誰だって、綺麗な物には惹かれる。だから……いいよな?」
崇兄上の言葉が価値観になり、倫理よりも優先される。
感情を美しさとして感じる鏡は、弥一の絶望を、美しいとさえ感じてしまう。
・鏡は“死なせない”と誓っている。
→ でもその誓いは、“所有物を壊さない”という管理者の視点。
・弥一が“代用品”である限り、鏡はまた“ミス”を繰り返す。
→ なぜなら、弥一は人間ではないから。
「そのピン……」
鏡は、弥一の髪に付けられているヘアピンを見て言った。
弥一はああ、と言ってヘアピンを外す。
「これ……君から貰ったものだっているのは聞いてたけど、妹……弥月の形見として、持っててもいい?」
「あ、あー……いいですよ」
そう言うと、弥一は嬉しそうに笑った。
・・・
「弥一」
それから数日。俺はよく隣のクラスに顔を出すようになっていた。
弥一も、混乱しつつもちゃんと呼べば来るし、他に話す人がいないのか気を使われているのか休み時間はずっと一人で過ごしていた。
「何ですか?」
弥一は中半、呆れながら教室の後ろの出入り口に来た。
他クラスには入れない。だから大体は、廊下か出入り口で話す。
「今日は天気がいいから、外行こうよ」
「謹んでお断りいたします。寒いので」
弥一は呆れと苛立ちを隠しきれずにそう言った。
寒いのは体を動かさないからだと説得し、自分の上着を無理やり着せて外に引っ張り出した。
上着を脱いだら俺は半袖だが、その分動けばいいだろうと軽い気持ちで外に来た。
――しかし、誤算があった。
俺は年中半袖半ズボンの体育系男子には向かないようだ。
「寒い……」
「む、無理するからですよ。しかし、秋は短いですねぇ。もうすぐ冬になりそうだ」
「こんなに寒かったら動いて体を温める事すらできない」
「でしょうね……」
弥一は呆れながらしゃがみ込む俺に付き添ってくれた。
俺はしばらく黙った後立ち上がり、室内へと向かう。
「ど、どこへ?」
「教室。紀章に上着を借りる」
「紀章さん……って、あの人のクラス次の授業体育じゃ……」
「あいつなら大丈夫だろう。問答無用で上着を奪う」
「あっ、ちょ、待って! この上履き、ちょっと小さいからそんな早く歩けない……」
俺は立ち止まり、下駄箱にいる弥一の方に振り返った。
「上履き、小さいのか?」
「え? ああ……まあ」
弥一はそう頬をかいて、苦笑いを浮かべた。
「……靴は?」
「あっ、靴は、いとこのつくろがお下がりをくれたから……といっても、まだちょっと大きいけどね」
俺は顎に手を当てて考えた。
そして「……よし!」と叫んでパンと手を叩く。
「弥一、もしよかったらうちのをやろうか? うちはきょうだいが多いから、ちょうどいいのがあると思うんだ」
弥一は少し首を傾げた後、嬉しそうにパッと顔を明るくした。
「いいの!?」
「たぶん大丈夫だ。というより、このままでは休み時間がつぶれる。早く紀章を探そう」
・・・
「上着を貸してほしい?」
紀章のクラスに行くと、紀章は半袖半ズボンの体育着の上に黒い上着を羽織っていた。
「え、あの……寒いんですよ?」
「俺も寒い。だから貸してほしいんだ」
「上着持ってましたよね? 無くしたんですか?」
「いや、弥一に貸してる」
「弥一……ああ、弥月さんの……」
紀章は眉をひそめた。しかしどこか、弥一の事を憐れんでいるようにも見えた。
うちの親から何か言われているのかもしれないが、もしかしたら身内を亡くしたばかりの少年を憐れんでいるのかもしれない。
「どうz――」
「ありがとう紀章! これで外で遊べるよ」
渋々上着を脱ぎ始めた紀章から上着をはぎとり、弥一の腕を引っ張って走り出した。
「コラァ! 廊下を走るな!」
廊下の奥から飛んできた罵声に思わず足を止める。
そして、説教で休み時間がつぶれた☆
ナ「☆」
うわッ、コンビニ前でたむろしてるチャラ男だ。
ナ「ちょっと偏見すぎん? というか☆はキキも使ってるよね?」
若さゆえの、だよね♪
作「あはは、今日はテンション高いね。何かあった?」
白「当てようか? 欲しい漫画が買えたんでしょ」
いいや? 何も買えてないよ?
白「(# ゜Д゜)」
ナ「なっ、何その表情……」
作「(*'▽')」
ナ「作ちゃんまんまで……」




