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278 女の勘


「ねえ、鏡くんってさ、私の目、好きだよね……?」


 ある日の学校からの帰り道、弥月に図星を突かれて思わず足を止めた。

 弥月は別に怖がっているわけでもなく、淡々とそう告げた。


「え……なんで……」


「なんかいつも私の目ばっかり見てる気がするし……」


 歩き続けていた弥月は足を止め、にこりとほほ笑んで振り返る。


「まあ、あとはぁ……女の勘?」


 いつもならばアホらしいと笑い飛ばしていただろう。

 だが今は、納得できるように感じた。


「……弥月、怖くないのか?」


「何が?」


「だって、目にしか興味ないんだぞ?」


 そう聞くと、弥月は「うーん?」と考え込んだ。

 そして、事実だからといえど、淡々としすぎなのではないかと思うほど淡々と言った。


「もちろん怖いけど、それでも、ママよりはマシなの」


 そういうものなのか、と納得する。


「ねえ、ちょっと寄り道しない? 昨日、あそこの公園で子猫が生まれたんだよ。可愛いから見に行こうよ!」


 そう言って走り出す弥月に、俺は慌ててついていった。


・・・


「ね! 可愛かったでしょ?」


 そう言ってほほ笑む弥月を見て思う。大分性格が変わったなぁと。

 最初の方はうじうじしていて、鬱陶しいと思うくらいだった。でも今は、そんな事一度も思わなかった。


「……ねえ鏡くん、猫ちゃんのこと、よく見てなかったでしょ」


 そう考えていると、声をかけられて初めて、弥月が頬を膨らませていることに気づいた。


「え!? あ、そんな事ないよ」

「ウソ。正直、子猫をかわいがる私の目を見ていた気がします」


 図星。女の勘とやらはこんなに万能なのか……?

 俺がそう思っていると、弥月はハァ、とため息をついた。


「そんなに見たいなら見せてあげるから、ちゃんと私の話に集中してください」


 驚いた。まさかそんなことを言われるとは。

 いや違う。よく見たら笑っているようで笑っていない。母親のご機嫌取りで作り慣れてしまったであろう笑顔に見える。怖がられている。


 そりゃそうだ、弥月は「母親よりはマシ」と言っただけで、怖くないとは言っていない。

 よく考えもせず理解されたとひそかに舞い上がって、バカみたいじゃないか。


 ……これからは、よく考えてから行動するようにしよう。


「じゃあ今、目を見せてよ」


 笑わずに淡々と、そう言った。弥月は「え」と目を見開く。


「これからはちゃんと話を聞くから。いいよね?」


 有無を言わせぬ笑顔を作る。

 そうだ。今まで喜び、哀れみ、悲しみ、疲労などのいろいろな感情を見てきた。……その中に、『恐怖』はあっただろうか?


 ――否。だったらいいだろう? 弥月が自分で、見せてくれると言ったんだから。


 微笑みを崩さぬまま弥月の返事を待っていると、弥月は青い顔でにこりとほほ笑んだ。少し、ぎこちないようにも見える。


「……もちろん」


 ねえ変態。

ナ「なんだい自傷癖でドS、つむじフェチ、最近何かと首を触って自分の脈を感じる癖がついてしまいそうでちょっと怖がっている狐塚キキ君?」

 ちょっ…………とブーメランすぎる……。いや違う、マジカルバナナしようよ!

白「マジカルバナナ?」

 まあやってみようよ! マジカルバナナ♪ バナナといったら黄色!

作「黄色といったらレモン!」

ナ「レ? レ……歴代」(マジカルバナナ知らない時代に生きた人)

 え……れ、歴代といったら王様!

白「ストップストップスト――ップ! なんかしりとり混ざってたけど!? これがマジカルバナナ!?」

 これがキキ流マジカルバナナ♪

ナ、白「なるほど……」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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