25 クエスト ユウトを探せ!
済
……どうしよう。
僕、西村陸は悩んでいた。
え? どのくらい悩んでるかって? そりゃ……ハゲるくらい?
あの後、何度か会話を試みたものの、いつもそっぽを向かれてしまう。なぜだ……?
※嫌われているから
「はあ……。」
果たしてどうするのが正解か。
まあ、優斗さんの事は一旦置いておくとして、僕、暇なんだよなぁ……。
何もしなくていいとは言われていたけれど、ここまでとは。
やりたいこともなく、やることもない。
とにかく、暇。
「はああぁぁ……。」
特大のため息をつく僕に、優斗さんは「うるさい」と言うような視線をこちらに向けるが、僕には今、優斗さんまで気遣う余裕がない。
「あ~あ~……暇だなぁ……って、ん?」
気が付いた時には、遅かった。
少し目を離したすきに、優斗さんが忽然と姿を消してしまっていたのだ!
「……んん?」
『クエスト ユウトを探せ!』
理解できずに首をかしげていると、脳内にそんなクエストが現れ、戦闘系ゲームのBGМが流れ始める。
「………………あー……。」
この脳内で発生したクエストをクリアしようとした矢先、問題発生。
あ、せっかくだし、BGМ『ビーッ、ビーッ』っていう警告系の音に変えとこ。
この部屋って、どうやって出るんだろうね?
※現実逃避
……まあとにかく、この部屋をでなければ探すこともできないし、出口を探すしかないかぁ……。
「短い。」
え?
「他のに比べ、お話が短すぎる。」
時間無かったからね~。
「長くしろ。」
むうぃ。時間無いし。




