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23 地下室

1252文字


 千代さんから説明された内容は、


1 誰にも言わないこと。


「まあ、言えないようになってるんだけどね。」(紗代)


2 深く首を突っ込まないこと。


「少年や妹たちはヒーちゃんたちの不注意で仕方なくだからね。」(紗代)


3 監視のためにここで働くこと。


「本人に監視って言うのどうかと思うけどね。」(紗代)


 千代さんが紗代さんにチョップをくらわせた。痛そう。




「これで全部。」


「意外と少ないんですね。…でも…僕まだ働ける年齢じゃ…」


「それに関しては心配しなくても大丈夫。いざとなったら魔法で年齢も変えられるし、友達の家に遊びに来て仕事を手伝ってるってことにしたり、まあ、今のところ、人手は足りてるから、ボーっとしてても大丈夫。」


「そうなんですね。」


 千代さんが丁寧に説明してくれたおかげで、大体わかった。

 ただ…


「人手が足りてるって、ほかの人は…」


「一応みんな魔法が使えるっぽい。見たことないけど。」


「そうなんですね。」




「えーっと…。」


 紗代さんがタンスから雑に男性着物を引っ張り出す。

 あたりはタンスから引っ張り出された男性着物がぐちゃぐちゃなったまま放置されている。


「紗代さん何探してるんですか?」


「少年が着る服だよ。ふ、く!」


「というか、ここは…」

「地下室。」

「地下室!?」


 地下室なんか作ったのか。


「ああ、安心して? 魔法で作られてるから壊れることはないよ。少年?」


「ん~。まあひとまずそういう事にしておきます。」


 紗代さんは「あったあった。これ…のはず。」と言って引っ張り出したのは、一見周りと同じに見えて、なぜそれにこだわるのか気になった。


「その着物は、他のと何が違うんですか?」


「………………。妹が知りたいよ。少年。」


「はあ…じゃあなぜ。」


「筮さんに借りたアイテムが光ったから。」


 紗代さんがそう言って見せてくれたのは、宝石のようなものが付いたネックレス。さっき紗代さんが取り出した服に近づけると青く光ってきれいだった。

 見とれていると紗代さんが急に…というか、最初に言ってほしかったことを言った。


「それ、筮さんのお母さんの形見らしいからh」

「先に言ってください!!」


「ごめーん。」


 紗代さんはアハハと笑って謝った。


+++


「すごーい! 似合ってるー!」


「似合ってるよぉー。少年。」


『『似合ってるよ。陸。』』


 ビデオ通話で光莉と葵が声をそろえて言う。こうしてみると双子なんだなあ…。って実感する。でも…


 千代さんと紗代さんはあんまり…似てないよなぁ…二卵性なのかな?

 光莉と葵は一目でわかる。一卵性だ。

 違うのは髪型と髪色、目の色くらいか?


「あの、この着物は、他と何が違うんですか?」


 僕がそう聞いても、みんなは首をかしげるだけだった。


「なら何で…。」


 筮さんの形見が光ったのだろう。


「材料よ。」


「筮さん。」


「材料って…?」


 僕がそう聞いた時、一瞬、筮さんが目を見開いた。でも、


「…説明されたんじゃなかったの? 深く、首を突っ込まないで。」


 そう言った筮さんの顔は険しくて、千代さんや葵たちですら見たことなかったらしく、驚いたような顔をしている。(優斗を除く)


肩こった。

「…え?」

肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった

「わかった。わかったから!」

あんたはいいよね。ヒック、若くて、ぴちぴちで、肩こりなんて…うあーー!!

「あーあ、泣いちゃった。」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった肩こった肩こったうるさい! 静かに! 一回言うだけでわかるから!
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