21 父さん?(圧)
済
「ん……。」
僕は、旅館の布団の中でゆっくり寝ていると、なんだか紙のような音がしたので目を開けた。
目を開けると、目の前は……真っ暗だった。
「あ、陸起きた?」
という父の声が聞こえる。
「……え?」
なせ真っ暗?
寝起きで頭が回らず、頭に「???」を浮かべてしまう。
すると、近くにいた父さんが楽しそうな声で、
「りーく。顔に乗ってる手紙は何?」
と言ったときにはじめて、自分の顔に乗っていたのは手紙だったことに気がついた。
「これは……!?」
「なんだろね♡」
父さんはニコニコとほほ笑みながら僕が手に持っている手紙を手をバッと奪い取り、子供のようにジーッと眺めている。
この姿を見ると、この人は本当に35歳の成人男性なのだろうかと疑ってしまう。
まあ僕の年齢的にも兄である空の年齢的にも、逆算して考えて35歳くらいの年齢がちょうどいいだろう。
「開けてい?」
「ダメです。」
即答する。「…………陸のケチ。」という文句が聞こえたが無視。
口をとがらせる父に呆れながらも、追い打ちをかけてみる。
「……父さん、信書開封罪って知ってる?」
「え? ……スゥ……あはー……」
知ってるのか知らないのかわからない反応……。
煮え切らないって、こういうことをいうんだろうか?
「信書開封罪とは、正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた場合に成立する犯罪のこと。刑法第133条に規定されてるんだけど…。罰則は1年以下の懲役または20万円以下の罰金ってことになってる。」
まあ、これがほんまに正しい情報なんかは知らんけど。
「うーん……あ。」
すると父さんは、少し考えたのちに手紙を持ち上げ、光に透かして、声に出して読みだした。
「えーっとね……何々? 『拝啓 西村陸様 先日は、』えーっと……この辺は読めないなぁ……飛ばそ。『敬具 光莉 ひかh」
「だあっはーーー!!!」
僕は父さんから手紙を奪い取る。訳の分からない悲鳴が出た。
「やめてください、父さん」
「あはは」
真面目に言ったつもりだが、父はヘラリと笑い飛ばす。
そして父さんは自慢げに言った。
「知ってる? 封を切らずに光に透かして中身を見ようとしても、開封したことにはならないため、その罪にはあたらないんだよ?」
「っ!」
意外と頭いいんだよなこの人……。バカそうな顔して。
※失礼
取り返した手紙を開けて、中身を取り出そうとしたところで――手を止めた。
父さんがワクワクしながら手紙を覗いていることに、気がついたからだ。
「父さん……?」
「にゅあっ!」
まさかバレるとは……やるな……。
――とでも言いたげな目で見られ、怒りを通り越して呆れる。
「今すぐ出てけ。」
「あっはーい。」
少しきつく言うと、父さんは笑ってすんなり出ていった。
手紙には、
『拝啓 西村陸様
先日はわたくしどもの不注意により、陸様を混乱させてしまったことを
深くお詫び申し上げます。
先日、伝えきれなかったことを本日伝えるために来ていただきたい場所
があるので、来い。』
「……ん?」
来い? 最初の丁寧な書き方はどこ行った?
途中で丁寧な言葉で書くの諦めたか?
『 旅館の池の前にて代打が待つ。
敬具 光莉 光流』
「……ん~……?」
思わず首をかしげてしまう。
なんか……途中から果たし状みたいになってたな。命令形だったし。
というか代打? 代打って何!? 代打……に、できるような人がいるの!?
え!? 一応魔法って、バレちゃいけないやつだよね!? そんな……代打にできる人がいるの!? いやこのセリフ二回目か。
次回・代打
皆さん。バレンタイン、チョコ、もらいましたか?
……ふんふん。なるほどなるほどなるほどね。
はーい今本命チョコ貰いましたって人ー。爆発してくれ^_^♪ リア充ども♡
「こらこらこらこら。個人的な恨みで読者を減らすんじゃないよ。」
はーい、非リア、陰キャのみなさーん。ここにリア充をかばう敵がー!
「いやこっちもリア充なんかメッタメタのブッチブチのバッキバキのボッキボキのボロ雑巾に♡してやりたいと思ってます♥^_^」
ニッコニコだねー。(o^―^o)ニコ♥




