21 やめてください! 父さん!!
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「…ん…。」
「あ、陸起きた?」
僕は、旅館の布団の中でゆっくーり寝ていたらなんかカサ…と、音がしたので目を開けると目の前が真っ暗だった。
「…え?」
寝起きで頭が回らなくて頭に「???」を浮かべていると、近くにいた父さんが楽しそうな声で、
「りーく。顔に乗ってる手紙は何?」
と言ったときにはじめて自分の顔に手紙が乗っていることに気がついた。
「…これは…?」
「なーに?」
父さんは陸の顔に乗っている手紙を手に取って、何も知らない子供のように笑いながら眺めている。
この姿を見ると、この人は本当に成人(35歳)男性なのだろうか…。と、思う。
「開けていい?」
「ダメです。」
「…………陸のケチ。」
口をとがらせながらそういう父に呆れながらも追い打ちをかける。
「…父さん、信書開封罪って知ってる?」
「…え? …スゥ……あー…」
知ってるのか知らないのかわからない反応…。
「信書開封罪とは、正当な理由がないのに、封をしてある信書を開けた場合に成立する犯罪のこと。刑法第133条に規定されてるんだけど…。罰則は1年以下の懲役または20万円以下の罰金ってことになってる。」
「うーん…。あ。」
父さんは少し考えたのち、手紙を持ち上げ、光に透かして、声に出して読みだした。
「えーっとね…何々?『拝啓 西村陸様 先日は、』…えーっと…この辺は読めないなぁ…飛ばそ。『敬具 光莉 ひかh」
「だーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
僕は父さんから手紙を取り上げる。
「やめてください! 父さん!!」
「あはは」
そして父さんは自慢げに言った。
「知ってる? 封を切らずに光に透かして中身を見ようとしても、開封したことにはならないため、同罪にはあたらないんだよ?」
「ーーー!!!」
意外と頭いいんだよな…この人…。
手紙を開けて、中身を取り出そうとして、父さんがワクワクしながら手紙を覗いていることに、気がついた。
「…父さん…。」
怒りを通り越して呆れだ…。
「今すぐ出てけ。」
「あっはーい。」
少しきつく言うと父さんはすんなり出ていった。
手紙には、
『拝啓 西村陸様
先日はわたくしどもの不注意により、陸様を混乱させてしまったことを
深くお詫び申し上げます。
先日、伝えきれなかったことを本日伝えるために来ていただきたい場所
があるので、来い。』
「…ん?」
途中で丁寧な言葉で書くの諦めただろ。
『 旅館の池の前にて代打が待つ。
敬具 光莉 光流』
「…ん~…。」
なんか…途中から果たし状みたいになってたな…。
というか…代打? 代打…に…できるような人がいるの!!??
次回 代打
皆さん。バレンタイン、チョコ、もらいましたか?
…ふんふん。なるほどなるほどなるほどね。
はーい、今本命チョコ貰いましたって人ー。爆発してくれ^_^♪ リア充ども♡
「こらこらこらこら。個人的な恨みで読者を減らすんじゃないよ。」
はーい、非リア、陰キャのみなさーん。ここにリア充をかばう敵がー!
「いやこっちもリア充なんかメッタメタのブッチブチのバッキバキのボッキボキのボロ雑巾に♡してやりたいと思ってます♡^_^」
ニッコニコだねー。