1 始まりの予感
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追記;25年9月2日、書き直しました。七百文字くらいから書きたしたので、前より読みやすくなってると思います。二話や三話も書き直し頑張ります。
――ワイワイ
――がやがや
うるさいなぁ……。
僕、西村陸は、ため息をついた。
今日は僕の誕生日。親が張り切って親戚を呼びまくって、なんか盛大に祝ってる。
……いや、一般人の誕生日にここまで人が集まるのっておかしくない?
顔見知りもいるけど、初対面が九割。
うちの親、どんな人脈してんの?
しかも、主役(僕)が忘れられてるってどういうこと。
誕生日パーティーで主役が空気って、アニメでも見たことないけど?
僕は持ってきた小説に目線を戻す。
「……あの、大丈夫ですか?」
声をかけてきたのは、マスク姿の大学生くらいのお兄さん。
左目の下にほくろ、黒曜石みたいな髪、そして赤とも黄色とも言えない不思議な瞳。
綺麗な人だな……。うちにこんな親戚いたっけ?
いや、目が赤いってことは、たぶんそうか。
「あー……大丈夫です。」
心配させないように答えたけど、お兄さんは片膝をついて目線を合わせてきた。 少し困ったように笑って、こう言った。
「大丈夫か聞かれたら、大丈夫って答えるしかないですよね。」
……この人、わかってるな。
話しやすいタイプだって、直感で分かった。
――ぐぎゅるるるーー
沈黙。 僕のお腹が鳴った。
お兄さんが何か言う前に、僕は両手を突き出して自首ポーズ。
「殺してください……!」
「えぇ!? えっ、あっ、そのぉ……」
気まずそうにしながら、お兄さんはポケットを探り始めた。
「あっ、あったあった。これ、食べます?」
※ガム
申し訳なさでいっぱいになりながら、僕はガムを受け取った。
お兄さんが空気を明るくしようとしてくれてるのが伝わってくる。
「えーっと……外の空気、吸ってみませんか? さっき、青い花が咲いてて綺麗でしたよ。君のお父様には、私から話しておきますから。」
僕は部屋の真ん中に集まる人たちを見た。 その中心に、父さんがいる。
「………………あそこに、行くの?」
僕だったら絶対行きたくない。 でもお兄さんは、平然と答えた。
「はい。私はあの方の知り合いなので、通してくれるでしょう。」
へー。そういえば、父さんの仕事って何なんだろう。知らないなぁ……って、ん?
「知り合い……なので?」
「? はい。招待客の七割は、あの方の側近が仕事のバランスを考えて呼んだ人です。」
……うそ……。
驚いて固まる僕を置いて、お兄さんは中高生くらいの女性に話しかけられていた。
「……が、そろそろ……」
「ああ、わかってる。ごめんなさい、仕事で呼ばれたので」
『が』は名前の一部だろう。よく聞き取れなかったけど。
お兄さんは高校か大学生くらいだし、働いててもおかしくないか。
そうして、『なんとか“が”お兄さん』は行ってしまった。
暇になった僕は、言われた通り外に出てみることにした。
読んでくれてありがとうございます。
どうも、初めましての方も、こんにちはの方も、読んでぐれでばびばぼぶごじゃいまふーー!(泣…というか号泣)
狐塚 鬼樹でーす。ウェーイ。
……さて、始まって参りました忘れられた運命。結構闇が深い物語ですので、皆様キャラクターたちの言動一つ一つに注目して……良ければ、考察をコメントしていただければと思います。ですが、ジャンルにシリアスという警告がしてあるのでどれだけ重かろうが切るのはナシです。
……ということですので、また次の話でお会いしましょう……バイバイ!(@^^)/~~~




