189 深夜テンション会議
「さあ、やって参りました。七不思議六番、江見ちゃんどうするの会議ーー!!」
「なんだそのパーティーテンション……。」
妙に気分アゲ⤴アゲ⤴の筮さんにツッコミを入れたのは江見さんの過去を知っている佐藤。
それには僕も同感だ。
この会議? に出席している面々も疑問符付きの顔をしている。
紗代さんなんか目が点だ。
「問題は、どこのうちで江見ちゃんを預かるかなのよん♡」
テンションがおかしくなってる筮さんのよこで、佐藤は
(筮さん……完全に深夜テンションだ。しっかり仮眠をとってほしい……。)
と考えていた。
それにしても筮さんの深夜テンション、なんだか料理下手の腐女子リーダーの事を思い出すな……。
そこで、千代さんが手を挙げる。
「あの……うちで預かることはできません。保護者が結構厳しくて……。」
「そうねー。確かに、預かるって事は家の持ち主の許可が必要なのよね。なら――」
うんうんと頷きながら話を続ける筮さんに、今度は兄さんが手を挙げる。
「なんで旅館で預からないんですか……?」
そこで筮さんは、アゲアゲだったテンションから、いつものテンションに戻り、ぽかんとした顔で告げる。
「ご存じの通り、ここは旅館。忙しいのよ。だから、江見さんにかまってる暇がない。そしてここには、危険なものもいっぱい置いてある。だから無理。」
「でも、江見さんは一応もう大人。おとなしくできるのでは?」
そこで葵が声をあげたが、筮さんは葵を睨む。
「あのね、江見ちゃんは足し算もできないのよ!? そんな中で触るなと言ってもどうせ触る! 意味はNothing!」
(深夜テンションだ……。)
佐藤はもう、呆れるしかなかった。
そこで、光莉が顎に手を当ててまとめを口にする。
「つまり、江見さんを預かれるのは両親の許可が取れるかバレずに家においておける人のところで、それでいて安全で教育を施せるほどのお金が……ん?」
そこで、光莉が僕の方を見る。
「……え? 何?」
「陸の家って確か……両親が共働きで、家もしっかり作られていて安全。そして長男に洗濯機を爆破されてもすぐ買い換えられるようなお金持ち……。」
飛び火が来た!!
驚きすぎて表情が変わりすらしなかった。
つまり、心の中で叫んだが、無表情だったという事。
いや別にさ! 大丈夫だけど……だけど!
飛び火って思っちゃうじゃん!?
筮さんに視線で助けを求めると、筮さんがニコニコしながら言った。
「ならダイジョブね! じゃあお願いねー。お金はこっちも出すから~。」
この深夜テンション野郎がーー!!
……というのは口にも顔にも出さず、ただ無表情で話を聞いていた。
「お金を出すなら問題なし! No problem!」
問題ありです……。
ナ「問題大ありです」
だね。
白「ていうか筮さんの深夜テンション何!!? 馬場さんの面影出てるよ!?」
ね。
作「はぁ……江見さんこれからどうなっちゃんでしょうね。意外と頭良さそうだけど……」
あいきゅー高めの桜子さんです。
ナ「みんなチョー疲れてるけどちゃんと休んで……。」
今ならストレスたまってるから強制終了できるけど?
ナ「それはやめて! ねえ! 聞いてんの!?」
ガムテープ取り出しましょうか?
ナ「う……。」