18 海は声フェチ
修正済
「なぜ! 陸は!! この日に!! 生まれたん、だー!!!」
うるさ。むしろ聞き取りずらいよ。
「はあ……。あのね、海斗。誕生日は変えられなh」
「うるさーい!!!!」
僕からしたらお前もな? いやお前の方がな?
「……海斗、周りの人に迷惑だから、静かにしよ? ね?」
「は!? ……い。」
「えらい。」
僕は海斗に深呼吸を促す。
なんで僕は年上のおもりをさせられているんだ……。
「ふぅーー……はぁーー。」
落ち着いたかな?
僕は笑みを崩さず海斗の言葉を待った。
「今日は……」
「うん。」
「推しの……――生配信&グッツの発売日……!」
………………えっ?
「……あー……? んー? あは、あはは……そっか。」
苦笑い。いやむしろ苦笑いすらできなかった。
心のどこかで、「え? そんな理由?」と、思ってる自分がいる。
「……いやでも、生配信なら……ここでも見れるよね?」
不安になりながらそう言う。もしかしたら、ここは山の中すぎて見れないのかもしれない。
しかし返事は、
「は?」
――静かだけれど、小さい子にトラウマを植え付けるくらい怖い声色。
当然のように、顔も怖い。下から睨みつけられて喜ぶのは一部の特殊人口のみだ。
「何言ってんだお前。推しの生配信だぞ? 今この世界のどこかで話してるってことだぞ? そんなの、最高級のスピーカーで大音量にして鼓膜破れるくらい幸せに浸んねえと物足りねえだろ!」
ポカン。返答に迷う。
軽く笑い飛ばすために笑顔を作ったが、どうしても苦笑いになってしまう。
「あはは……。いや、さすがに大げさ……。」
じゃありませんよね~!
目がマジだもん! 怖い! 目路から強すぎRTAに挑め!
「息継ぎの音とかさ? 聞きたいじゃん!」
ストーカーやん。もはや哀れみの目線すら向けられるよ?
……海、声フェチだったんだね。
突然ですが皆さん! アムドゥスキアスという悪魔を知っていますか!?
「知らん。」
話を聞け?
「だからあたしゃ××くんのことが知りたいんだって!」
そー。それでねアムドゥスキアスは…
「話を聞け。」
アムドゥスキアス(Amduscias)、アムブスキアス(Ambuscias)、またはアムドゥシアス(Amdusias))とも呼ばれ、『ゴエティア』によると29の軍団を率いる序列67番の地獄の公爵である。(ウィキより)
「どこで知ったの。そんな事。」
ネタ探し。
「あっそ。」




