184 カラスとハトと彩華の帰宅 章終わり
海行って来た。ただいま。(コメントに『おかえり』って書いてくれると嬉しいな(^▽^)/)
溜め書きが30を下回ったので一日一話投稿に戻っていいですか?
「あ……。」
江見さんが、小さく声を漏らした。
「どうしたの? 江見ちゃん。」
「いえ……その、私……。」
江見さんは下を向いた。
なんだ……? もしかして、後遺症があるというのか……?
そう空気が張り詰めたとき、江見さんは顔をあげた。
その目はキラキラと輝いている。
「私、学校の外に出れます!」
………………ん?
みんなが僕と同じように固まったのが視界の端に映っていた。
筮さんがギギギ……と機械のように固い動きで江見さんの隣にいる彩華さんに顔を向けた。
「彩華ちゃ……さん。これはどういう……?」
筮さんの語彙力が……。
彩華さんはジト目でしばらく黙り、やがて観念したようにため息をついてから、ようやく口を開いた。
「七番様は、学校の外に出ることができる。だからなの。」
よく分からない……。
えーっと、つまり? 七番様の使いである彩華さんが江見さんを助けたから……江見さんは七番さんのおかげで今いるって事になるって事?
だが江見さんは今の説明でなんとなくわかったようだ。
顎に手を当てた状態でしばらく考えてはいたけど……。
「そうだったんですね。七番様にありがとうございますと伝えておいてください。」
江見さんがそう言うと、彩華さんはふぅ、と息を吐いた。
この人は行動が謎だ。
「伝言はそれだけなの? 六番を助けたのは七番様だけじゃないの。五番があなたを見つけて、ノックス? っていうカラスで道案内してくれたおかげなの。」
彩華さんは自分の肩にとまるカラスを見た。
するとカラスはカァ、と鳴いた。
「ちなみに、六番を見つけたのはアルバトロスっていうハトらしいの。」
と言って学校の校庭にある木を見た。
そこにはハトが止まって、ジッとこちらを見ていた。
その目には、ただのハトにはない『知性』の色が宿っているように見えた。
「実際、七番様も気づいてはいたの。でもすぐに倒れたから六番の場所を特定できなかったの。」
何でそうなったの……とつぶやいてハトをジッと見つめていた。
彩華さんに見つめられたハトは、すぐに飛んで行ってしまった。圧がすごかったからだろうな。とばっちりってやつ?
「じゃ、彩は帰るの。」
「え、ちょっちょっちょ、ちょっと待ってください!」
数分後、帰ろうとした彩華さんを筮さんが止める。
彩華さんは面倒そうにこちらに振り返った。
「あ、あの……江見ちゃん、どうすればいいですか?」
筮さんの一言で場の空気は凍り付く。
みんなそのことについてはノープランだったらしい。
江見さんの彩華さんは声をそろえて「は?」と言った。
江見さんに関しては「あ! そうだった!」みたいな感じだったけど……。
彩華さんは完全に「そっちで何とかすれば?」って言いたげだったけど。
そして場は、彩華さんの答えを待つ空気になっていた。
答えを期待されている彩華さんはしばらく「う……」と声を漏らしていたが、観念したようにため息をつく。
「そっちで家に預かりでもすればいいんじゃないの?」
訂正。観念したではなく、めんどくさくなって適当に答えただけだった。
「七番様は死んでない、の。七番様のおかげで今『半分』生きてる六番は生前人間だった。だから栄養を取らねば死んでしまうの。」
みんな固まった。
僕も七番様が生きていたことにびっくりしている。
噴水下に閉じ込めておくわけにはいかないの、とめんどくさそうに言い、全員のアホずらを見てから彩華さんはフッと消え、風で髪が少し揺れる。
僕はポカーンと開いた口が塞がらなかった。
不思議だ。さすが七不思議七番様(さん?)の使い!
ナ「彩華ちゃん……『は?』はないでしょ『は?』は……。」
まあでもそれも、『怪異的合理主義』って事でいいんじゃない?
白「イヤイヤだとしても! っていうかなんでカラスとばっちり受けてんの!?」
いやいいじゃないですか。五番はそういうキャラなんですから。
作「ねえねえ。私今日見たアニメで、次回予告があったんだけど……この後書きコーナーでやってくれない?」
急だね! いや、そういうのだったらナレーターさんの方が向いてるよ。本職ナレーターだから。
ナ「いや違うよ!? 俺本職k――ムグッ」
ハイハイお黙りやがれ。ガムティープ貼ってやったゼィ☆ それに、ナレーターさんはニートでしょ?
ナ「むぐぐむぐぐっむ!」(だから違うって!)
数分後・・・
次回予告
七不思議・七番の力で学校外に出れるようになった六番。
その裏で、七番と五番、七番の使いの彩華と清華のピリピリバチバチの会話が始まる――。
次回、184話 五番の無自覚芸。お楽しみに!
ナ「……これでいい?」
かんっぺきだよ!