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183 七番様の呪術


「七不思議、七番!?」


 兄さんは目を真ん丸にしていた。

 だが彩華さんは兄さんを無視し、江見さんに対して軽蔑の目を向ける。


「六番のせいでなぜか七番様と清華(せいが)が動けなくなってるの。六番。お前は何をしたの。」


 ド迫力。泣きわめいて逃げ出したくなってきた。


「今……消えかけてる怪異に言う言葉がそれですか……。」


 江見さんは呆れたように言っていた。

 それでも彩華さんは小さくため息をつくだけだった。


 彩華さんはその場にしゃがみ、江見さんの服を掴んでバッと上げた。


「……ギリ描けるか……? だそうなの。」


「七番様ですか……。」


「そうなの。」


 江見さんが苦しそうに彩華に問う姿を見ていて、頭がこんがらがった。

 絵面は今まで見たことないものだったからだ。


「時間はないの。こうしてる間にも六番は消えてる。六番のお腹に(まじな)いと魔法術式(魔法陣と言いたいそうです)を描くスペースが消えないうちに描いてしまうの。」


 彩華さんは江見さんのお腹を撫でた。

 その顔は無表情で、綺麗な顔だなと思いつつも、何を考えているかわからない人だ、と無意識に目をそらした。

 それでも彼女はほんの少し……焦っているようにも見えた。


 すると彩華さんはこちらを睨み上げるように見て言った。


「何を見ているの。誰も見て言いなんて言ってないの。」


 嫌悪を微塵も隠そうともしない顔だった。

 みんなは首がもげそうなくらいの勢いで目をそらしていた。


 僕はその言葉を聞いて、七番様の性格を疑った。江見さん(いわ)く優しい……らしいが……。

 本当に優しいんだろうか……?




 数分後、彩華さんの声で不思議な呪文みたいなのが聞こえてきた。


「■■■■■■■――」


 うまく聞き取れない。なんと言っているのだろう。


「◆◆◆◆◆、❖❖❖❖❖❖――」


 ますますなんて言ってるかわからなくなってきたぞ……?


「▬▬▬▬▬、◈◈◈◈◈――はぁ!」


 うーん最後の方ガチで聞き取れなかったけどまあ良しとしよう。今後使う事も聞くこともないだろうし。

 儀式? は終わったようだ。


 僕は目を開けて、江見さんの方を見る。

 すると、江見さんは何事もなかったかのようにそこに座っていた。


 江見さん自身も、何が起きたかわからない顔をしていた。


 だれも声をあげられなかった数秒の沈黙を経て、やっと口を開いたのは、筮さんだった。


「江見ちゃん……! 江見ちゃーん!!」


 筮さんは泣いて江見さんの飛びついた。


「え、江見ちゃ……もう。それでいいです。」


 江見さんも、嬉しそうに笑っていた。


 みんなも口々に、よかった、と言っている。

 ちなみに佐藤はまだ、目を覚まさないままだったが、その後、すぐに目を覚ました。


 江見さんの隣に膝をついていた彩華さんの肩に、七不思議五番の使いだというカラスが降りてきた。


「はぁー。無茶ぶりすぎるの七番様。負荷が大きすぎて四肢がもげるかと思ったの。いくら動けるのが彩だけだったとしても……! まあでも、無事になってよかったの。」


 どうやら謎に動けなくなっていた七番も無事元に戻ったらしい。

 だが動けなくなってしまった原因は、謎のままに違いはなかった。


白「七番様は今どんな感情でこの結果を彩華から聞いたんでしょうねぇ。」

 今のところすべてが謎に包まれた人物ですね。

ナ「そして五番くんも気になるね。七番と同じくカラス越しに結果を見ていたでしょうけど。」

 まあ恐らく、『無駄に心配させよって』か『何やっとんねんアホ……!(泣)』か『そういえば明日はあのスーパーで卵が安い日やったな。え? 六番? ああ、せやったね』って感じだと思います。

作「個人的には二番目だと信じてる……。」

ナ「一番目も信頼してるって感じが滲み出ていいと思うけどな~。三番目は意味不明。七不思議なのにどっから仕入れて来るんだよその情報! ……ていうか、買いに行くのか?」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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