181 五番様の影
江見さんの意外な能力の開花を経て、佐藤は無事助かった。
だが、まだ目を覚まさないまま。
さっき、筮さんが泣いている江見さんを慰めに行って――
「……江見さん?」
筮さんの声が聞こえてきた。
僕は江見さんを見る。すると江見さんは、倒れていた。
「江見さん!」
江見さんからは、学校の敷地外に出たときと同じ黒い煙が上がっていた。
でも僕の記憶では、蝶は学校の外に出ても平気だった。
蝶は、学校の外に出ることはできても、人間にかかわってはいけなかったのだろうか?
怪異の事なんてわからないよ!
そんなことを考えてるうちにも、江見さんの体は、指先から少しずつ煙とともに消えていた。
「江見さん! 江見さん!」
筮さんが必死に地面に横たわる小さな体を揺さぶっていた。
その時、江見さんが小さな声で言った。
「へへ……一世一代の、第一番……!」
江見さんは、笑っていた。
気づけば筮さんは、ボロボロと泣いていて。
僕も、胸がきゅっと苦しくなった。
「江見さん……!」
一方その頃・・・
「あーあ。何やっとんねん六番。はぁー、一応七番様に連絡するかぁ?」
少年は、ステージから誰もいない客席を眺め、そうつぶやいた。
「あ、もうええでアルバトロス。その場にとどまる理由はもうないやろ。それにしても何やっとんねん六番。俺より年上やろ。」
ブツブツ言いながら少年はステージを飛び降り、正面にあるドアに向かって歩き出した。
「せやせや! ミラージュ、ホープ、フェザー、シャドウ。誰でもええからノックス連れてって。案内にはあいつがぴったりや。」
いくら見た目がガキでもアホすぎるやろ。なんで俺が七番様に報告せにゃならんのや。
「残りのあんたらは、クロウ、レイヴン、オルフェウス、シャドウウィングとでも遊んどき。あ? ええねんええねん。ガキのおもりは俺の仕事や。ま、俺より六番のが強いんやけどな。」
なんせ俺は――
「七不思議、五番やから。」
少年は怪しく微笑んだ。
七不思議五番。七番、六番に続く実力者に与えられる称号やから。
実力さえあれば誰でもなれる地位。
それを妨げるのが、五より下の一から四番の仕事や。
「六番が居なくなってもうたら俺が六番やけど、あいつが居らんかったら強くなる意味消えてまうわ。」
少年はそう言い残して、その部屋を後にした。
――バサッ
鳩の羽が一枚落ちる。
その下には、カラスの群れ。その中から一匹、すごい勢いで飛び出した。
五番に使わされたカラスが向かうのは、七不思議七番の場所――。
ナ「な、七不思議五番のお出ましじゃぁあ?」
よく分かってなさそうな言い方……。
白「石もらいに行っただけなのに大事になって来てる……。」
あ、そうそう。『偏愛、狂愛者リスト』の話なんだけど、そこに書く人物に一言ずつしゃべってもらおうかな~なんて……。
作「へー。なんて言わせるの?」
一人はすでに決まってるよ? 『骨の一つになるまで、俺の事を覚えていて』だね。
ナ「めちゃくちゃヤバいやつじゃん! だれ!?」
ナレーターさん……
ナ「俺!!?」
……かもしれないよ?
ナ「どっちだよ!」
そのキャラの表情とランキングどうしようかな~って迷ってるとこ。
ナ「ランキングつけようとしてるの!? ……今のとこ愛莉ちゃんが一位だけど。」
愛莉ちゃんは……最下位から三位くらいかな?
ナ「意外と低かった。」