17 暇つぶしの適任者
修正済み。
僕は、あの…優しそうなお兄さんが警戒すべき人だったという衝撃的な事実に何とか向き合おうと必死に言い聞かせる。
あの後筮さんに
「今日はもういいから、戻りなさい。でも、絶対に例のお兄さんとは接触してはダメですよ。」
と言われたので……まあ、向こうから話しかけてこない限り、気づいてないふりしよう。
そう思いながら、僕はあのパーティー? 会場に戻る。
はあぁ……。憂鬱。
そして、部屋の前まで戻ってくると、酔っ払いの声なども大きくなり……気分は……最悪。
どうしようかな……。何しよう……。
このまま中に入って予測される事態・・・
1 静まり返り一斉にこちらを見る。
2 特に注目もされず部屋の隅で眺めている。
……どっちもいや。いやすぎる!
なので、周りを見て回る事にした。
さっき、花を見に行った方向とは逆方向に歩いていくと……あれ、特に何もないな。どうしよ。
誰か会話相手がいれば……。
まあ、会話相手は何人かいるけど、誰と話そうかな……。
一番最初に思いついたのは、兄の西村空。
でも兄さんは、今日、ここにはいない。
なぜなら、友達の誘いを断り切れなかったんだそうだ。でも、兄さんって毎回そうだった気が……まあいいか。
続いて思いついたのは父、西村鏡……は、忙しそうだったから!
……じゃあ、母の凪はどうだろう。……こっちはこっちで、それなりに忙しそうだった。
じゃあ、誰? ……あ、なら……。
・・・
「……何の用?」
そして呼んだのは、従兄の瀬戸海斗。
彼の、世界でも珍しい赤髪はふわりと揺れる。……まあ、僕も、兄さんも、父さんも母さんも赤髪だけど。
さすがの海斗でも従兄の誕生パーティー(?)には来るだろう。
「陸。」
「……え、あ、何?」
海斗の出した低い声に少し驚く。もしかして……怒っている?
「陸、俺は今怒っている。」
そんなん声聞けば誰だって分かる。
僕は少し呆れた。
「その理由はなんだかわかるな?」
「え?」
………………………え? ……………………あぁーww。……すまん。いくら考えてもわからない。
少し怖いがここは正直に……。
「え。えぇと、わからなh」
「はあ!!!???」
うるさい。
「え、あ、ちょっと待って。今耳キーンてしてるから」
「なんだと!!?」
それにしても目力が。目力からが強い!!
目をつむりたい衝動にかられたが、これ以上海斗を怒らせては耳が壊れる。
「……じゃ、じゃあなんでh」
「それはぁ!!!」
相変わらずうるさ。むしろ笑うで?




