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177 蝶の名


「そう言えばその蝶、名前はないの?」


 突然筮さんが、そんなことを聞いていた。


 江見さんは目をぱちくりさせた後、蝶の方を見て言った。


「あります。でも、私は覚えてないというか……難しい名前なんですよね。七番様につけてもらったんです。この蝶の名前は。」


「え? じゃあいつもはなんて呼んでるの?」


 兄さんが二人の会話に加わる。

 兄さんの問いに、江見さんが即答する。


「ちょちょさん!」

「ガキっぽ……。」


 兄さんは呆れてる様子だった。


 すると後ろから、ハァ、ハァ、と息切れの声が聞こえてきて、僕は振り返った。


「紗代さん。」


 地下から遅れて出てきたのは、紗代さんだ。

 まだ体が動かしずらいのか、早々に息切れしていた。


「おいていかないでよ……。」


「ごめんなさい……でも、誰も手が空いて無くて。」


 すねたように言う紗代さんに、僕は眉を下げる。


 兄さんは葵をおぶっており、筮さんは江見さんと手を繋いでいた。残った僕には、紗代さんを持ち上げられるほどの力はない。でも、肩くらいかしてあげるべきだっただろうか。


 でも、紗代さんくらいだったら佐藤が持ち上げられそうだ。僕と紗代さんの体重は同じくらいか紗代さんが少し重いくらいか?

 それならやっぱり、僕を軽々と持ち上げられている佐藤ならできそうだ。

 僕はしばらく黙って考える。


「………………紗代さんの体重ってどのくらいですか?」

「女子に体重聞くなんてサイテー。デリカシーにかけるよ。」


 そんなこと言われても……。




「じゃあ、そろそろ集合場所に行きましょうか。」


 江見さんと数分話したのち、筮さんがそう言った。


 七不思議の噂がある場所に別れる前、学校の正門前で集合することにしていたのだ。

 その時、江見さんが「あ、その前に……」と言って小さく手を挙げた。


「石をお渡しし忘れていました。」


 筮さんも僕も、一瞬顔をきょとんとさせる。

 忘れていたのだ。完全に。


 言い出さなければ、七不思議の石を守ることができただろうに。


「七不思議の石は、基本的にその人が生前大切にしていた物が石化し、石となります。」


 江見さんが地下へ続く階段がある噴水の方に手を伸ばした。


「大切なものだからこそ、七不思議の役目を放棄することができず、七不思議の形を保つ役目の石を守ることができるのです。七不思議一番は、この学校ができたときからこの学校にいるので、前の七番目だった怪異を知っているようです。」


 その時、

――シュルルルルルル


 と音がした。

 地下階段の方に、糸を伸ばし、何かを取り出したようだ。


 江見さんは階段から飛んできた球体をパシッと取る。

 僕は七不思議ってすごいなぁと思った。


「ですが、二代目の七番様はお優しい方のようで、頼めば石を預かってくれるようです。まあこれは、五番が無理言ったせいですが。」


 江見さんは目を伏せ、ですが、と話を続ける。


「私は七番様に石を預けたりなんかしません。七不思議の六番目として、その役目を放棄していいわけありません。」


 江見さんが持っている球体は、地下室にあった(まり)。それがパンッと弾け、中から鈴が出てくる。


「この毬は、生前、戦争に行く前にお兄ちゃんからもらったものです。中に入っているこの鈴が石です。」


 江見さんはどうぞ、と言って鈴を筮さんに手渡した。


作「今思ったんだけど、みんな私の名前忘れてないよね? って事で! 今回は自己紹介をしたいと思いまーす!」

 急だね。江見さんが蝶の名前を忘れたのが原因かな?

作「まずは私から! 作者です! この世界線のおおもとのおおもとを作りました! 江見さんの見た目と七不思議六番という役目を与えたのは私です! 小学校低学年くらい? 宿題まだ終わってません!」

 おーパチパチパチー。早く宿題やろうね~。(宿題やらな過ぎて渡されてすらいない人)

ナ「次は俺だね。どうも、ナレーターさんと言います。なぜか偏愛家ってよく言われるんだけど、心当たりはないなぁ。」(嘘)「あ、(ピ―――)歳でーす。」

白「じゃあ次はわた――」

 私でーす! どうも、狐塚 キキと申します! この世界の創造神です! 絶賛義務教育中です! ナスが確定で出る給食、『夏野菜カレー』は学校に通わない、つまり全残しです!

白「最後はわた――」

 ごめんなさいもう尺が余ってないんですよ~。

白「は?」

ナ「まあまあ落ち着いて。」

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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