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156 質問の答え

 分かる人はもうわかってるかもしれませんけど、わかってない人は言われないと分からないことが分かる話です。そして――少し短い。


 ってか、文字数(空白・改白含まない)で666文字!?


「そんなんどうでもいいんで、さっさと落とし穴から出してくれませんかねえ。」


「ああ。ごめんごめん。今出すね。」


 筮さんは魔法を使って佐藤を浮かせた。

 フワッと持ち上げられた佐藤は、目の前で微笑む筮さんに苛立ちを隠せなかった。




 山を下り、旅館に戻る途中、筮さんが何かに気づいたように話し始めた。


「そう言えば、金髪の青年から逃げようとした理由を聞いてたのに、青年の正体を聞いただけで満足してたわ!」


「げっ。」


 何とか話をそらしたのに、バレてしまったら意味がない。

 佐藤はため息をついた。


「もういいじゃないですか。」


 少しにらんでそう言うと、筮さんに無言の笑みを返された。


 しばらく黙り、少し賭けに出ることにした。

 これで筮さんがこの言葉の本質に気づかないなら、この人を完全に信用しないことにする。そう考えて慎重に言葉を選び、口を開く。


「早く戻りましょうよ。そうじゃないと()()に悟られる。」


「いやもう、何も隠さなくなったわね……って、さ……様?」


 どうやらこの人は気づけたらしい。

 筮さんはその場で足を止め、佐藤の顔をじっと見つめた。


「……ちょっと、待って……鬼……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()じゃない!!」


 佐藤は頷き、こう答えた。



「はい。そうです。西村陸……いえ、西村は偽名ですが、陸様は、鬼の本家、媿野(きの)家の次男です。」



 だから、天敵である祓い屋家の若君から逃げようとしたのだ、ということは、説明せずともわかるだろう。

 一応彼女も、勘のいい大人なのだから。


 そして、この事を言う、その行為は、魔法の存在の説明をするくらい、重みのある事だ。


ナ「“陸様”って言われた瞬間、“あ、これはダメなやつ来た”って思った……筮さんの“さ……様?”の絶妙な間、完全に脳がバグったよ……」

白「そして“媿野家の次男”発言で完全にトドメ。しかも“西村は偽名ですが”ってサラッと言う佐藤くん、情報爆撃マスターかよ」

 違う違う。そのくらい、彼にとって当たり前のことだっていう事なんじゃない?

作「なのに“だから天敵から逃げたんです”ってセリフすら出さずに済ませるって何その超圧縮ナラティブ! 余韻で殴ってきた!」

 大変! 今すぐ冷やさないと! ……まあまあ、そんなに睨まないでよ。156話、たった一言で物語全体の重心がぐにゃっとズレた感じがたまらなかったかも……? “淡々と話せば話すほど、相手に委ねてる”佐藤の語り方に、信頼と試す気持ちと、少しの諦めが同時に見えたのが切ないよね?

ナ「てかさ、これまで陸が“少し普通じゃない”のは感じてたけど、“鬼の本家の血筋”だったって分かると全部が線で繋がって見えるんよね」

白「しかも祓い屋の若君=天照から逃げたのが“本能”レベルだったって思うと……そりゃそうだよ、天敵も天敵すぎる」

作「これ、佐藤にとっては“説明”じゃなくて“暴露”だったんだろうなぁ……どこか“終わらせる覚悟”も背負ってた気がする」

 前回の“ギャグ尋問”が一転して、今回は“名前”の重みと、それがもたらす緊張が静かに全編に流れていた。 この余白だらけの会話が、次の展開にどう跳ねるのか……いまから震えて待機です!

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イイネ等、よろしくお願いします。 え? なぜかって? しょうがないなぁ、そんなに言うなら、教えてあげないこともないですよ。 モチベにつながります。
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