123 あやかし
「それで? どうしてあんなところにいたの?」
筮さんが真面目な顔に戻り、真剣に聞いてくる。
正直言って答えづらい。言葉が詰まる。
場に流れる重い空気。
筮さんは重い空気を破るようにため息をついた。
「別に、無理に答えてほしいわけじゃないのよ。その代わり、一つだけ、質問をします。」
拒否権はない、とその目が語っていた。
旅館の女将などではなく、もう少し偉い立場でもうまくやっていけそうな方だ。
……いや、先ほど『幼稚園くらいの時、幼馴染四人で――』と言ったな。
落ちた方の今の年齢を考えると、この土地は継いだものなのか。
「あなた、妖でしょう。」
その質問に驚いて、ハッと息をのむ。
無意識に顔をあげてしまっていた。その反応は『そうだ』と語っているも同然だった。
筮さんはやっぱり……とでもいうように肩をすくめる。
「あなたは何の妖なのでしょう。妖狐? それとも猫又? ……どれ?」
どれかと言われれば……。
「鬼。」
鬼の妖。
「鬼……ねぇ……。まあ、鬼じゃないなら天狗や龍なんかもあったけど……。」
「天狗はもう、この時代に存在しないと思われています。龍も絶滅寸前で、鬼は龍に借りがあるため、元は対等の関係だった天狗、鬼、龍は『三霊王』や『天鬼龍盟』の名を失いつつあります。天狗がいなくとも『三霊王』の名が保たれているのは、その三つが妖の中でも特に生命力や力が強く、少しでも生き残る可能性があるからです。」
「ちょちょちょちょっと待って! ……眠気が吹き飛ぶ情報量なんだけど……いや、逆に眠くなる……。」
筮さんからストップがかかり、もう少しわかりやすく、ゆっくり説明してくれと言われた。
妖は、昔から日本を支配してきた生物のこと。
その能力や容姿は人間よりはるかに上回り、人間を下に見た。
その中でも特に容姿が優れ、妖の能力も高く、妖から恐れられた存在――。
妖の中での権力をふるい、人間からも恐れられていた存在。それが――。
――天狗
――鬼
――龍
の三つであった。
「あ、言っておきますけど、容姿に関しては今の時代基準ですので。」
中には風天狗、星狐なんていう種族もあるが、これはまったくの別物で、人間から崇められる存在。
その逆もあり、霞龍や影鬼というが、その二つは亜種だと言われている。
霞龍は霧や霞の中に姿を消し、視線を奪うほどの美しさを持つ。
若いおなごを狙ってはさらい、人のいないところで食う。
影鬼は影の中に潜み、人の恐怖を食らう。
「つまり、この二つは――。」
「どこまで話を逸らすつもり?」
あの……。
作「何?」
ずいぶんと前に言った五万文字くらいになっちゃった短編。あるじゃないですか……。
ナ「……ああ。あったね。」
それ、書こうとすると重すぎて書きずらいので……。
白「うん。それで?」
短編! やめます!!!
作「うるさ。」
でも、一応短編なので、一気に投稿しちゃいたいな……。
作「ならさっさと投稿できるように頑張ればいいじゃん。」
はい! 頑張ります!