11 いじめと鼓動 ある日のこと――
毎回…予想よりも短い…。
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ある日のこと――
陸は、旧校舎の男子トイレに呼び出されていた。
陸を呼び出したいじめっ子のメンバーは、いつもと同じ。
いじめの主犯の佐藤は、いつもどうり指示をして少し離れたところで見ている。
『これ、食えよ。』
『え………?』
いじめっ子の一人がそう言って出したのは、蛾や幼虫など、爬虫類の死体。
思わず足が震える。陸が勇気を振り絞り首を横に振る。
『い……いや、無理、だよ……』
虫を食べるなんてできない。考えるだけでも吐きそうだった。
佐藤は、少し離れたところで壁にもたれかかりながら黙って陸を見下ろしていた。その目に映る感情は、読めない。
『うっ!』
陸はいじめっ子に床に押し倒され、二人ほどに押さえつけられた。
陸は特別力があるわけじゃない。なんなら普通の男子より少し弱い位だ。
『食えよ』
そう言っていじめっ子の一人が陸の口に虫を擦り付けてきた。
なんどそう言われても、陸は断固として口を開けようとはしなかった。
ある一人がしびれを切らして陸の口を無理やり開けさせようとしてきたが、陸は思いっきりそいつを手を噛んだ。
『いってぇ! 何すんだよ!』
『そっちこそ!』
陸は思わず言い返してしまい。そしてハッとした。
気づいた時にはすでに遅く、いじめっ子の一人がチッと舌打ちをした。
『食えよ。俺たちがお前のために頑張って集めてきたんだぜぇ? その努力を――』
――ドクン――
陸の鼓動が鳴り響く。いつも間にか、足の震えも収まっていた。
『無駄にしたり――』
――ドクン――
『――しないよな?』
――ドクン………ドクン……ドク……ドク、ドク
鼓動の速度はどんどん早くなり――やがて……止まった。
そこから先、なんて思ったかは、よく……覚えていない。
でも、頭の中が自分じゃないほかの三人くらいの声で、埋め尽くされていたような気がする。
虫ってきもくないですか?
「…はい。まことにそうだと思います。(諦め…)」
これ、漫画を参考にさせていただいたんですけど……むし食べるって私にとっては半ゴキブリになるような行為なんですよ。
「そう…。^_^」
私はカブトムシの幼虫とゴキブリでいえばゴキブリの方がましです。(少数派)