表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能登羽警部のバカミス事件簿  作者: 恒河沙
大草原の殺人
10/24

大草原での殺人

「なんだよ、宇上? こんな大草原に呼び出して?


 鬼ごっこでもするのか?」


 村田がそう言うと、宇上は村田の方へと振り返った。2人が佇んでいる草原は、見渡す限りの大草原で、視界を遮る建物も木もない。地平線が見えるような広大な土地だ。


「鬼ごっこがお好みか?」

「いいや、子供じゃあるまいし。」

「……そうだな。子供じゃないもんな。


 ……でもさ、覚えてるか?


 俺達が小学5年生だったあの夏の日。」


 村田は笑い出す。


「ああ、あれか。 俺は今でも信じちゃいないぜ。


 お前は信じていたみたいだけど、あれはお前の勘違いだ。


 ……あり得るわけがない。」


 宇上は村田の馬鹿にするような口調に怒りを覚えたが、拳を握って怒りを抑え込む。


 だが、宇上は心の中で笑っていた。


 なぜなら、あの時、宇上を馬鹿にした村田の目の前で、あのことを信じさせてやれるからだ。


「なあ、もしもの話で聞いて欲しいんだが……


 今、この場所で、僕はお前を殺そうとしたとする。」

「随分、物騒だな。」

「仮の話だ。


 その時、僕はお前をどう殺すと思う?」


 村田は宇上の質問をしばらく考えた。


「どうだろうな?


 俺は空手を小さい頃からやっていて、お前は小さい頃から武術をかじっちゃいない。


 だから、絞殺とかは揉み合ったら、お前に勝ち目はない。だから、ナイフで刺殺とか、バールで撲殺とか言ったところかな?


 この大草原で、毒殺や焼殺は似合わないだろう?」


 村田はまさか殺されるはずがないと思っている余裕の表情だった。


「そうだな。


 刺殺や撲殺の類で、一撃必殺が妥当な殺し方だろうな。」

「そうだろう?」

「でもな。 


 僕が今からする殺害方法は、今お前が言った殺害方法ではなく、お前が今一番考えていない殺害方法だ。」

「……どういうことだ?」

「じゃあ、予告してやろう。お前の死因は……



 転落死だ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ