21話 結成!最強リメンバーズ!「起」
最近は毎朝起きるとラジオ体操をしている。健康の維持には日光を浴びてながらほどよい運動が日々の体づくりを促進すると思うからだ。
「吸って〜吐いて〜深呼吸!」
「す〜はぁ〜……す〜はぁ〜……ってなんで私もやってるんですか!?」
「まあまあ……意外とやりがいあるよ? “らじおたいそう”だっけ? 朝にやるだけあってとても気持ちのいいものだ」
「まぁ……そうですけど」
エルフとフェアを誘いお互いの健康力を高めよう、という建前を敷いて誘っている。(本当はただ単純に僕がひとりなのが寂しいだけである)
二人は優しいので快く(文句を言わなかったわけではないが)僕の誘いに乗ってくれた。
「ふふっ、人数多くいた方がやりがいも教え甲斐もあるってもんだよ……! あと単純に誘えるの二人しかい……」
「「悲しいこと言うなよ」」
そこはかとなく闇が垣間見えながらもラジオ体操を終えて、グッドな一日の始まりを朝日が告げる。
この世界にやってきて―――一カ月ほどか。
あっという間に過ぎた日々だった。それはまぁ僕の感じ方によるものだろう。
ということで朝食を食べている最中のこと、ヘルムさんが唐突に話題を切り出してきた。自分は『ショゴスの清掃作業でも終わったのかな?』と面白みのないしょうもないことを考えていると。
「ハク。 そういやお前、最近働いてばっかだったよな」
「まぁ……そうですけど、全然苦ではありません。 なんなら家に居候させてくれてるだけでもありがたい限りですし、僕は自分にできることがしたいんです」
全然苦がないというところだけは多少嘘をついている。夜から翌日にかけて腰が天地乖離する勢いで悲鳴を上げているのだ。
なお現在進行系で。
「そうかそうか! でも働き詰めすぎるのもよくねーな。 今日一日くらい気晴らしにどこか探検でも行ったらどうだ」
「探検って……お父さんは私たちのこと何歳だと思ってるの」
「まあまあ、いいじゃんせっかくの探検。 たまには童心に帰ってそこらを彷徨ってみるのも楽しいと思うよ」
「え〜……そんなに言うなら行ってもいいけど」
「よし、あとフェアも誘おう」
「でもあいつ変なところで真面目だから来るかな?」
「俺のほうで言っといてやるよ。 若者連中は今日は羽根を伸ばしまくりな!」
「やったぁ!」
「いや、あんたそんなキャラだっけ……」
朝食を早々に口に詰め、それを水で流し、電光石火の勢いで家を飛び出た。
後方からエルフの声が聞こえたが、まぁそれはそうと置いて、僕はとにかくフェアの家へと向かった。
まるで黒い影のように僕は走った。
「ふぇ〜あ〜!」
※※※※※ ※※※ ※※
「いや、ヘルムさんが伝えてくれるならハクがわざわざこっちに来る必要はないのではないか?」
至極当然な反応だった。
「いや、確かにそうなんだけど、気持ちが舞い上がって。 ほらよくあるじゃない、『考えるよりも先に体が動いていた』みたいな」
「よくあってたまるか」
会話そこそこに僕は荷物とかはフェアがあった時に見せてくれた空間魔法で運んでもらえば楽、もとい活用できるのではないかと思った。
「あ、それはそうと荷物持ち頼んでもいいかな? ほら、フェアの空間魔法」
「ああ~、いいけど大した質量は入らないぞ?」
「入る分だけ!」
「おっけ。 準備するから家で待ってて」
「ありがとう! じゃ、あとでな!」
ハクは走り去っていった。
走り去るハクの背中を見てフェアは思った。
「ハク……子供っぽくなったな? いや、もともとあんなだっけかな?」
フェアの中で少し疑問符が挙がった。




