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ある日俺は特殊能力を手に入れる

俺は壬生 縁。フリーターの25歳。どこで人生間違えたのか、日雇いバイトをしながらなんとか生きている。

割と良家に生まれたものの、出来損ないの俺は17歳の高校を中退したときに、100万円が入った封筒とアパートの鍵を渡されて家を追い出された。

そこからはもう転落人生で、親がくれた手切金は一瞬で遊びで使い果たしてしまい、なんの仕事をしてもすぐに辞めてきた。消費者ローンからも限度額MAXまで借り入れして、今ではもう日雇いバイトをしながら食い繋いでいくことで精一杯だ。

一つ下の弟の篤は、今では壬生財閥を引き継いでTVにも出てる。TVに弟が出てくるたびに、俺は劣等感で心が引き裂かれそうになる。まあ俺が今までやってきたことに対する報いだと思えば仕方ない。

これからの人生は、人に迷惑をかけずにひっそりと暮らしていくと決めている。

ちなみに今は、壬生家から絶縁されたので、雨竜 縁と名乗っている。雨竜とは、壬生の遠い親戚で、雨竜家は一族でも変わり者の雨竜 義一と執事一人しかいない家だった。

絶縁された俺は雨竜 義一の養子となる形で家から追い出されたんだ。挨拶に行った時に義一さんは、「壬生から絶縁されたか。逆に自由になれて良かったのかもしれんのう。一応わしの身内になったのだから何か困ったことがあったら言うてこい」と言っていたが、それから一度も会っていない。

人を頼って人生をやり直す気力もない俺は、日雇いバイトに行って飯を食って、金がなくなればまたバイトに行くだけの日々を送っていた。

いつものように日雇いの仕事を終え帰路についているとき、路地裏から怒声が聞こえてきた。様子を見ると一人の少年が複数の男から暴行を受けている。

「下手打ちやがって!どう責任とるつもりだコラ!」

ぼこっ どかっ

暴行を受けている少年は声も出ない程弱ってきている。ひっそりと暮らしていくつもりだが見逃せない。「お前らその辺にしておけ。警察に通報したぞ。」

「なんだ、おっさん。邪魔すんならてめぇもぶち殺すぞ。」暴行を加えていた4人はぞろぞろとこちらに歩いてきた。すると1人がスプレーのような物を吹きかけてきて視界が奪われ激痛が走った。

おそらく催涙スプレーだ。ヤバいヤバいヤバい

他の連中も棒切を持っていた。このままだと下手したら死ぬんじゃね?何か策は… どかっ

考えを巡らせていると頭をなにかで殴られ一撃で地面に倒された。

「おっさんがでしゃばってんじゃねえ」

どかっ ばきっ ぐしゃっ

全身を滅多打ちにされ意識も遠のいてきた。

ああしょうもない人生だった。死にたくない。もっと生きたかった。どこで間違えてこうなった?俺は壬生家当主になるはずだった男だ。悔しい 悔しい 悔しい 悔しい 悔しい


痛みと死の恐怖で俺は現実の区別がつかなくなっていた。

真っ暗な闇の中で浮いているような感覚だ。

ここはなんだ?死んだのか?


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