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四章 「王都ガリア」

キャラクター紹介三 トビマル−カラス。グリンの友人らしい。一人前のカラスになるために修業に出たはずが、何故か魔法が上達していた。出身地、年齢などは不明。なにげに謎に包まれたキャラクターである。性別はオス。

王都ガリア。

機械と魔法により栄えた都市だ。

ここには、人、物、情報などが集中し、文化の中心となっている。


近年は魔法道場の数が急激に増えている。

この背景には、治安が悪化しているという事実があった。

警務部隊だけでは対処しきれないことは、全て魔法道場が引き受けているのだ。



王都についたギン達は、とりあえず街を見回ることにした。

商店街は実に賑わっており、活気に満ち溢れている。

「やっぱすごいっすねえ。王都は。」

ギンは呟いた。


「これから、どうするんですか?」

ルーナは聞いた。


「役所にいって、魔法道場を作る申請をしないといけないんすよ。認められれば、土地を紹介してもらえるんす。」


役所は街の南口に位置している。

街の中は入り組んでいて、地図を見ないと迷ってしまうほどだ。


役所の近くまで来た時。


一人の男がものすごい勢いで走っていた。

それを追うように、銀髪の青年が走っている。


人々は青年を尊敬の眼差しで見つめていた。

「何すか、あれ?」

ギンは状況が飲みこめていない。


「あの青年、確かビルツでやんすよ!ギンさん。」

トビマルは言った。


それを聞いたギンの目の色は変わった。


銀髪の青年は腰につけていたスティックを振る。

その瞬間、逃げていた男は引き付けられるように青年の方に移動していく。

「何だよ、これ!身体が勝手に!」


男は、取り押さえられた。見物していた人々から歓声があがる。


「今の魔法、一体何なんすか?」

ギンはトビマルに聞いた。

「分からないでやんす。あっしも初めてみた。」

トビマルは少し興奮していた。


「あの〜、ギン様?今の人一体誰ですか?」

クルルは話が理解出来ていなかった。


「今のはコムレイ・ビルツっす。王都でも五本の指に入る魔法道場、ビルツ魔法団の師範っす。」

ギンもかなり興奮していた。


どうやら今のは魔法道場の仕事で、逃げる犯罪者を追っていた所のようだ。



興奮が覚めやらぬまま、二人と一羽は役所に入った。数人の係員が、座っている。


ギンはそのうちの一人に話かけた。


「魔法道場を設立したいんすが。」

「魔法道場を作りてえんだが。」


ほぼ同時に右から声がした。

そこには、二十代前半くらいの若者がいた。

髪は黒。青い瞳で、背中に何かをしょっている。

大きさと形状からして、魔法武器のようだ。

衣服は東の島国で作られている物を着ている。

背中には見たことのない文字がプリントされていた。

「ん〜困りましたね〜。」

係員は頭を悩ませる。


「実は、あと一つしか道場が残っていないんですよ。最近は魔法道場を作る方が本当に多くて・・・。」


「おい、ガキ!俺が先にここに来たんだ。おとなしく譲れ!」

男は少し怒鳴り気味だ。


「・・・やだね。大体、俺の方が先にきてたっすよ。」


男は眉をピクリと動かす。背中にしょっていたケースから、武器を取り出す。


「へえ。あんたも魔法剣か。珍しい形してるっすね。」

ギンも自分の剣を見せ付ける。


「俺の武器は、東洋の島国で使われているカタナと呼ばれるものだ。」


互いに殺気を放つ。

危ない気配を察知した係員が叫んだ!

「こんな所で暴れないでください!警務部隊を呼びますよ!」


ここで問題を起こしたら、魔法道場は作れない。

二人は大人しく武器をしまった。


「あの・・・。別の道場が手に入るのは、いつ頃になります?」

クルルは係員に尋ねた。


「そうですね、どんなに早くても半年後にはなってしまいますね。」


ギンと男は、互いを睨み付ける。


「ここは、正々堂々と勝負して決めましょうか。」


このままだと本当にまずい、と思った係員が、提案する。


「勝負だあ?」


「ええ。実力を調べる意味も含めてね。」


係員は、ギンと男、クルルにそれぞれ紙を渡した。

トビマルは貰えなかったことで機嫌を損ねたらしく、建物の壁をくちばしでつんつん突いている。


渡された紙には、モンスターの絵が描かれている。小さな身体に、尖った鼻。右手にはこん棒を持っている。


「それは、デビルゴブリン。近年、王都周辺の街の畑を荒らしているモンスターです。被害総額は三千万コインを越え被害者の方々から討伐依頼が出されているのですが、逃げ足が速く捕まえられていないのが現状です。」


絵の下にはモンスターの身体レベルが書かれていた。力一

知能三

スピード五

使用魔法無し

総合レベル一(ただし、逃げ足が速い。)


補足

魔法や、攻撃技などは一切ないが捕まるのは難しい。捕まえた方には

五万コイン。


「なるほど。先にデビルゴブリンを捕まえる事が出来た方が道場を貰えるって事っすね!」


係員は頷く。

「ええ。依頼者の方から賞金の方も先払いで頂いておりますので、勝った方には五万コインもお渡しします。」


「ガキ、この勝負はこのホムラ様が頂いた!」

男は、走っていった。


「よし!俺達も行くぞ!半年も待つなんて、絶対に嫌だからな!」

ギン達も男のあとを追った。



キリマ平原。

デビルゴブリンの住家がある場所だ。

そこには、怪しい陰が。

「ここなら、傷を癒せる。」

一匹の巨大なドラゴンだ。身体中には傷がある。

「あんな奴に狙われるとは俺もついていないな。だが、ここまで来れば・・・。」


ドラゴンはのしのし歩く。羽はダメージを受けており、飛べる状態ではない。

「人間の血!人間の血が必要だ!」


次回 平原での出来事

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