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三章 「二人と一羽の魔法使い」

キャラクター紹介二 クルル−十六歳の少女。母を十歳の時に無くし、グリンの使用人として働き始めた。しかし、グリンは使用人としてではなく家族としてクルルを見ていた。最近はグリンよりギンの面倒を見るように。髪は金髪に近い。染めているわけでは無く、自毛。

風が吹いている。

道には花が咲いており、春の始まりを告げているようだ。


ギンとクルル、トビマルがグリンの家を出てから二日。間もなく王都に到着することだろう。

ギン達は途中で、馬車に乗る事にした。

車を借りるのに比べ値段が安定しており、費用の心配が無いからだ。


ギンは丹念に魔法剣を磨いている。

クルルは読書をしていた。ギンは、馬車がこんなに揺れているのに、全く酔っていないクルルに少し驚いた。トビマルは、ぼんやりと外の景色を眺めている。


王都ガリアは、国の中央部に位置しており、気候が安定している。

ギン達が暮らしていた街、バンブランは森が多い東部に位置し、比較的暑い地域だったため寒くなってくる。春が近いとはいえ、まだ冬は終わっていないのだ。

「ギン様。私、良く分からないんですけど魔法道場って何ですか?」

クルルが急に思い立ったように質問してきた。


「何だ、お前魔法道場を知らなかったんすか。」


ギンより色々な事を知っているクルルにしては珍しい。


「いいすか?魔法道場ってのは国の許可を得て魔法を鍛える道場の事っす。」


「おいおい、ギンさん。それじゃあ説明になっていやせんぜ。」

トビマルはツッコミをいれた。

やれやれ、と首を横に振っている。


「ここはあっしが説明しやす、クルルさん。」

トビマルの行動にギンはふて腐れてそっぽを向いてしまった。


「魔法道場が他の道場と違うところは、たんに魔法を鍛える事だけが目的じゃない、という事でやんす。」

クルルは首を傾げる。

「どういう事?トビマル君。」


「一般人から金をもらって、モンスターの討伐や人探し、事件の調査なんかもおこなってるんでありやす。」

トビマルは気を使っているらしい。ギンの方をちらりと向いた。

ギンは一言もしゃべらずに窓の外を見ていた。


「他にも、国から仕事を依頼されることもありやすが・・・ま、街の便利屋さんって所でやすな。」


トビマルは説明を終え、ギンに謝った。


少し、機嫌は治ったようだ。


「でも、何で王都に行くんですか?」

クルルが率直な疑問をギンに尋ねる。


「色々な人物や情報が集まるからっすよ。魔法道場を開けば、アイツに関する情報も手に入るかも知れない。」

ギンは窓を見ながら言った。視線の先は、王都ガリアの方向だ。


「ギンさんもクルルも気をつけるんでやんすよ。王都にはたくさんの魔法道場がある。頑張らないとすぐに消えちゃいやすよ。」

ギンとクルルは頷いた。


王都に到着する前から、緊張感が生まれていた。


馬車が急停止する。

二人と一羽は衝撃で外に放りだされてしまった。


そこには、六人の怪しい格好をした男。

「俺達は、泣く子も黙る大山賊・カミラ山賊団だあ!」


運転手は喉元にナイフを突き付けられ、震えている。

「身ぐるみ全部おいてくんだな!」


山賊達は刺すぞと言わんばかりに、ナイフを見せつけてくる。

しかし、ギン達は動じていなかった。


(とりあえず、運転手さんを解放することが最優先っすね。)

ギンがふと横を見ると、クルルは山賊達に気付かれないように地面に何かを書いていた。


「何とか言えやあ!」

黙りこくっているギン達にしびれを切らした山賊の一人が、ナイフを振り上げる。


次の瞬間、運転手にナイフを突き付けていた山賊は吹っ飛んだ。

そのまま盗賊は木に身体を打ち付けて気絶してしまった。


「な・・・まさか、コイツら魔法が使えるのか!?」山賊の一人が驚きの声をあげる。


「そんなに驚くほどの事でも無いっしょ。」


ギンは風属性を剣にまとわせ、山賊の一人を叩き潰した。


「がはあっ!」


完全に混乱した残りの四人は、後ずさっている。


「そっちから仕掛けといて、逃げるのは酷いでやんすよ。」

トビマルは翼をはばたさせる。


ギンは冷気を感じた。

見ると、盗賊達の足が凍っている。

「とりあえず、警務部隊を呼ぶでやんすよ。」


トビマルは地面に降り立った。

「すごいっす、トビマル!見ないうちにこんな魔法を覚えたんすか?」


「これが、修業の成果でやんすよ。」

トビマルは嬉しそうに鳴き声をあげる。


ギンは、(つーかコイツ、一人前のカラスになるために旅に出たんじゃなかったけ・・・。)と思ったが、あえて触れなかった。


クルルは、風属性の魔法のエリートだ。

魔法学校に通わずに、グリンから少し教わっただけで基本魔法を全てマスターしてしまった。

今のは魔法陣を使った魔法。威力と正確さをコントロールできるのだ。

魔法陣を使った場合の最大攻撃力は、使わなかった場合の十倍以上だ。


トビマルの魔法も風属性だが、ギンと別れて修業をしたことにより、水属性魔法も覚えたらしい。

水属性魔法の応用技、氷魔法と風魔法を組み合わせることにより、冷気の風を作りだしたのだ。


その後、警務部隊により山賊達の身柄は拘束された。どうやら賞金首だったらしく、二十万コインももらうことが出来た。













翌日、ギン達は王都ガリアに到着する。

王都にて、二人を待ち受けている者とは?


次回より、話が魔法道場に関わっていきます。 次回 王都にて

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