十三章 「エピソード・タイル」
今回でてくる属性診断。テキトーなんで気にしないでください(笑)
「いいっすか。魔法と言うのは一部例外もあるっすが炎、水、樹、風、土、雷、闇、光の八の属性に分類できるんす。」
ギンは言う。
ギルテンの騒動の後多少慌ただしかったが、何とか稽古を開始することが出来た。
ガルマロはクルルと戦っている。
ヤリに炎をまとわせ、素早い動きで相手を翻弄する。
(クルルが本気を出している・・・。ガルマロも中々やるっすねえ。)
ギンは、タイルに魔法の基礎を教えていた。
「魔法は、知ることから始まる。」
ギンの師匠にあたる、グリンの教えだ。
「知識は魔法を強くし、新たな可能性を作る。アイツを倒したいと願うなら、知識を手に入れろ。」
ギンは、初めて魔法を教えてもらった時のことを思い出していた。
「まず、魔法を習得するための第一段階。自らが扱える属性を知ることっす。」
「属性を・・・知る?」
タイルは、聞き返してきた。
「そう。もちろん、属性は俺みたいに複数扱えるっす。だけど、その中でも元となる属性があるんす。ちなみに俺は、光が元の属性っす。」
「ど、どうすれば自分の属性が分かるの!?」
タイルは興奮していた。
「簡単なことっす。今から俺がするの二択質問にYesかNOで答えればいいっすよ。」
Q1 犬より猫が好き
Q2 夏より冬が好き
Q3 朝は割とすっきり起きられる
Q4 髪の毛は短い方が良いQ5 霊的な体験をしたことがある
Q6 海より山が好き
Q7 食べ物の好き嫌いは多い
Q8 どんな人とも普通に話せる
Q9 一日に平均五回以上トイレに行く
Q10 甘い物より辛い物が好き
Q11 クラシックを聴くのが好きだ
Q12 人には言えない恥ずかしい体験をしたことがある
Q13 愛読している雑誌がある
Q14 ゴキブリが恐い
Q15 休日は家にいることが多い
Q16 何かコレクションしている物がある。
タイルは本当にこんな質問で自分の属性が分かるのかと疑問をいだきながらも、正直に答えた。
「ん〜。そうすか。どうやらタイルは樹属性らしいっすね。」
今の質問でYesと答えた数により、属性が決定する。
ゼロ、一、二個で光属性
三、四個で炎属性
五、六個で雷属性
七、八個で樹属性
九、十個で土属性
十一、十二個で風属性
十三、十四個で水属性
十五、十六個で闇属性
「これで第一段階はクリアっす。次に第二段階。魔法を使う感触を知ることっす。」
「魔法を使う感触?」
ギンは頷く。
「魔法使いが一番始めに使うのは無属性魔法。何の属性にも含まれない最も簡単な魔法っす。」
ギンは説明をする。
全ての魔法使いはここからスタートするのだ。
ここを抜いて次のステップに進むことは出来ない。
タイルはギンの指示通りに、右手に力をこめた。
上手くいけば、透明の煙のようなものが発生するはずだ。
しかし、何も発生しなかった。
「・・・まあ、俺もこれは始めは出来なかったっす。徐々に出来るようになっていくんすよ。」
ギンは、落ち込んでしまった様子のタイルを励ます。
「今日からは知識を得る勉強と無属性魔法を使う稽古をしていくっすよ。」
その時−。
道場の扉が開き、一人の女性が入って来た。
その女性は緑色の髪で、整った顔立ちをしている。
ガルマロもクルルも稽古を中断して、その女性を見た。
「あの〜・・・どちら様で?」
女性は辺りを見回し、タイルの方を向いた。
その表情はとても険しい。
女性はタイルの所へ歩みより、強引に腕を掴んだ。
「や、やめろ!」
タイルは踏ん張っている。
「あ、あの・・・。どういうことすか?タイルとはどういう関係で?」
突然、女性は頭を下げた。
「申し遅れました。私はリカといいます。タイルの姉です。」
「ね・・・ねーちゃん!?」ギンは思わず叫んでしまった。
タイルに姉がいるなんて知らなかった。
「弟が、迷惑をかけてしまい申し訳ございませんでした。」
リカはもう一度頭を下げた。
「迷惑なんてかかってないすよ。」
「私、タイルがこちらの魔法道場の門下生になったなんてこと、知りませんでした。最近、家に帰って来なかったので、不審には思っていたのですが・・・。」
タイルはじたばたしていた。
「タイル・・・お前、姉ちゃんに話してなかったんすか?」
タイルはこくりと頷いた。
「だって・・・。姉ちゃんに話したら絶対に反対するし・・・。」
「当たり前でしょう!あなたが何をしようと勝手だけどね、魔法だけは許さないよ!」
リカはものすごい剣幕で怒っている。
「もう、この子がこの道場に訪れることも無いでしょう。本当にすみませんでした。」
タイルは無理矢理引っ張られる。
じたばた暴れ、半泣きだ。
「嫌だ!魔法覚えたいんだ!」
リカはタイルの頭を叩いた。
「あまりわがまま言わないの!あれだけ約束したでしょう!魔法はやらないって!」
リカは扉に手をかけた。
その時、ギンは言った。
「タイル!魔法は誰かにやらされる物じゃない!自分の意思でやるもんなんすよ!」
稽古初日。
いきなりどたばたの連続だが、はたして上手く行くのか・・・。
次回 タイルの故郷