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【アサシン:暗殺者】時の魔導士 NO3

【アサシン:暗殺者】時の魔導士 NO3


「時の魔導士が現れた。

みんな気を付けるんだ‼」


カトリーヌが注意喚起した瞬間に視界がグレー色に変わった。

明らかに先程とは違う異常現象が、この場を支配している。

『これは・・・』カトリーヌは異変に気が付いた。

自動車事故で集まった人達は動作が止まった状態で停止していた。

動く者は誰ひとりいない。車やバイク、それに風、外灯、ネオンの光さえも・・・。

凛太朗達、抗魔官も例外では無く人形の様に動きを止めていた。


「これは驚いた。どうした事なのか⁉

時間が止まった状態異常のなかで、君は動けるのかい?」

誰かがカトリーヌに話し掛けて来た。


「僕達に何用かな・・・時の魔導士さん」


「へ~え、僕の事を知っている君は徒者(ただもの)じゃないな・・・」


「僕は生死を司る死神カトリーヌ、

そして、ここにいる者達は創造主の眷属、抗魔執行官よ!

時神の配下である、あなたに狙われる理由はない。」


「やはりそうか・・・死神ならば上位神の加護がある筈だから僕の状態異常スキルが通じない訳だ。

いいだろう。死神様に敬意を払って、特別に理由を教えよう。

そこにいる男は死ぬ運命にある者を助けるという時の禁忌を破った。

彼の愚かな行為により、本来、あるべき姿の未来を変えてしまったのだ。

これ程、重大な犯罪はない。

だから僕の裁きを受けて貰わねば・・・」


「例え、それが創造主の眷属だったとしても・・・?」


「・・・そうだ」


「そこにいる凛太朗は我らの命を受けて行動したまでのこと、

それでも見逃して貰えぬなら致し方ない。

この死神カトリーヌが相手をしよう。」


カトリーヌは一瞬にして姿を黒装束に変え戦闘モードになり半端ない殺気を放った。

手には当然、破魔の大鎌が握られている。

並みの者であれば、それだけで気を失うであろう。


「時の魔導士よ!何処にいる。

さあ、姿を見せるがいい。」


カトリーヌは気配を探った。

そして、時空はおろか煩悩をも断ち切る事が出来る大鎌を振るった。

大鎌の斬撃は鎌鼬(かまいたち)の様に風の刃となり電柱を切断する。

その後に忽然と空中に浮かび姿を現したのは奇怪なピエロの格好をした小太りの男だった。


「ハハハ・・・流石は冥界の刺客を自負する者だね・・・。

僕は気が小さいんだ。その姿と大鎌を見た時、少し、パンツにおしっこをちびっちゃった。

でもね、何故、僕が支配する時間の中で、君だけが動けるのか分からないが、どんなに強くても僕の敵じゃない。

きっと君も今迄、僕と戦った強者と同じ様に・・・フフフ、後悔するだろう。」


ピエロは掌から手品をしている様に球を取り出しお手玉を始めた。

そして、掌を見せない様に隠し、再び開くと何時の間にか球は二つ三つと数が増えていった。

何処かに球を隠している訳ではなく手品、擬(もど)きではあるが、球を分裂させる技を見せた。

そして、大道芸人の様に片足になったり逆立ちをしたり曲芸をする。

カトリーヌには、時の魔導士がふざけているのかと思ったが・・・曲芸をしている魔導士には驚いた事に隙が何処にもなかった。


「キエー」突然、魔導士は奇声を発し球を投げて来た。

球は更に空中で分裂しながら迫って来た。

カトリーヌは大鎌を高速回転させる事で、球を叩き落とし防御する。

児戯に等しい技に見えたが、違った。

球は砕け散りながらも、まわりの物を塵に変えた。


「なに・・・⁉」カトリーヌは驚いた。


「驚いたかね・・ウフフ、教えてやろう。

これはただの球ではない。

時間球(ときたま)さ・・・この球に触れれば、物体はすべて塵となる。

生き物ならば百年の時飛ばしで、死んでしまう。

千年万年の時間球であれば殆どの形ある物を塵に出来る。

気が付かないかい。君が持っている鎌を見るがいい。」


カトリーヌは大鎌が刃毀(はこぼれ)している事に気が付いた。

神通力で練り上げた刃である。

破魔の大鎌は金剛石を切っても決して刃毀れする事がない。

だが、それを時の魔導士が放った時間球は無力化にしたのである。



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