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【アサシン:暗殺者】NO4

【アサシン:暗殺者】NO4


「これでも旦那に僕の企(くわだ)てがバレないように上手くやったつもりなんですが、そうはいかなかった様ですね・・・」


「きさまが事故を起こしたのか?」


「旦那、僕の名前は死神4251番と言います。下神ですが、これでも42(しに)という死神の中では名家の一族の流れをくむ者、51番と呼んでください。キサマじゃない。

うふふ、まあ、それはいいとして、抗魔官の旦那は分かってない。

宇宙がどんなに広くても未来に影響を与える様な魂は千年万年に一つ生まれるかどうかなんですよ⁈

だから、僕は、激レアの魂を持っている彼女の存在を知った時、正直、全身に震えが来ました。広大な砂漠の中でキラリと光る宝石を発見した様な感じです。

お分かりになりますか?

未だ事を成していない原石だけれど、価値ある貴重な魂に変わりはない。

彼女を見つけた時、これだってね・・・僕にもやっとチャンスがやって来たんだって・・・そう思うと、いても立ってもいられなくなってやって来た訳です。

だけど、まさか、ここに抗魔官の旦那がいるとは正直に驚きました」


「51番、きさま、だからと言って、寿命が来ていない人を巻き添えにしてもいいのか⁈」


「ははは・・・このシャトル事故は僕が起こしたかも知れないですが、旦那、もう遅いですよ!

この時間軸では事故の原因が、偶々、運が悪く宇宙ゴミに衝突した事になってしまった。

時の流れに組み込まれたからには不可思議な原因による事故であってはならない。

だから、僕が手を加えて事故を引き起こしたんではない。事故の原因は宇宙空間にデブリを放置した人間達にあり、起こるべくして起こった。そう、既成事実になったという事です。

雪と風が吹き荒れるブリザードの中だ。彼女をこのまま放置すれば凍死するだろう。

彼女は、ここで死ぬ運命にある。

明日、地球のニュース速報で、月と地球間、往復シャトルが事故になり、乗員乗客が全員死亡したことが大々的報じられる事でしょう。いや、もう速報が流れているかも知れませんね・・・。

旦那、彼女を助ければ、どういうことになるかお分かりですか?

未来に影響が及ぶ魂を、この時間軸に存在しない旦那が干渉したら時の禁忌を侵す事になる。

その事で時の大いなる力に抹殺されますよ!

時神の眷属、刺客『時の魔導士』を敵に回す覚悟はお持ちですか・・・」


「51番、きさま、神でありながら、栄達をしたいばかりに魔に捕らわれて闇に落ちたか⁈」


「旦那、僕の何処が悪いんです?

僕はカトリーヌ様の目に留まり存在を認めて欲しかっただけなんだ。

旦那・・・見逃して貰えないでしょうか・・・でないと旦那と戦わなきゃならない」


「そんな事をしてもカトリーヌは決して喜ばない。

抗魔執行官として、ジャッジ(judge:判定)する。死神4251番、神界の最下層にある神達が入る氷の監獄に永久入牢(じゅろう)とする。

逆らえば神であろうとも容赦はしない」


「うふふ、旦那と僕は、どうも分かり合えない様だ。

抗魔官は創造主様の眷属とはいえカトリーヌ様の配下、ならば我と同等ではないか、その旦那に刑を決められるとは片腹痛いわ・・・。

我は死神だが、人間達を冥界に送るだけではない。

冥界、地獄界から禁忌を侵して逃亡する者達を狩る役割を担う刺客でもある。

侮るではない。

我が、大鎌の餌食になるがいい」


山高帽、黒スーツの死神は、ステッキを持ち上げると一瞬にして、髑髏(ドクロ)顔、黒装束に大鎌を持った恐ろしい死神の姿になった。

鎌はカトリーヌの大鎌よりかなり長く3Mはありそうに思えだ。

死神マスターのカトリーヌや悪魔のアンナの戦闘時の姿を見ていなければ怖気づいてしまった事だろう。

数多(あまた)いる神の中で死神は唯一、ダーク、闇の力を使える神だ。

死神は黒い妖気を纏った瞬間、ブリザードの中に姿を消した。

だが、逃げた訳ではない。何処かで凛太朗の隙を伺っているのだ。

凛太朗も呼吸を整え闘気を纏い妖刀村正を顕在化させながら死神の攻撃に備えて構える。

精神を研ぎ澄まし集中すると静けさがやって来た。

先程まで聞こえていた吹き荒れる風の音が消えた。

死神の気配を探る。『何処にいる?何処から打ち込んで来るんだ』

そして、どれ位、時間が経っただろうか・・・10分か、20分か、いや、一瞬かも知れない。


『そこか⁈』


「旦那、終わりだ‼

我ら死神の鎌は、どんな矛(ほこ)や盾(たて)でも受ける事が出来ぬ「破魔」の大鎌、この鎌は悪魔を打ち破り、そして、生き物の魂に繋がる煩悩(ぼんのう)、生きる根源をも断ち切る神の鎌だ。この世に切れぬ物はない」


「ガン、ガキーン、ガキーン・・・」


「何、我の大鎌の攻撃を受けただと・・・⁉」


「死神51番、驚いた様だな。

普通の剣ならば、多分、受ける事も出来ないだろう。

だが、この剣は死者の怨念が宿った妖刀、驚く程の事のことでもない」


「さすが、創造主に選ばれた抗魔官、簡単にはいかぬという事か・・・ならば、我が秘奥義を見るがいい」


死神51番は重力を無視して浮き上がり、大鎌を回転させる。

すると大鎌は炎を纏った。


「火炎大車輪‼」


その瞬間、大鎌から幾つもの炎環が生まれた。

それらは意識を持っている様に高速で回転し縦横無尽に飛び回る。

炎環は地面をもネズミ花火の様に這い回った。

大鎌の刃が、弧を描きながら間合いの外から伸びて来るのと同時に炎環が向かって来た。

受ける事を許さない恐ろしい技だ。

凛太朗は咄嗟にサイキックバリアを張り、それらを跳ね除けた。    


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