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世界について

世界について

※本編で触れていない設定もあります。

※最新話までのネタバレ含みます。


○世界概要

 世界名は『アスラント』。

 地上はいくつかの大陸から成り立つ人間界。人間界の真上、雲を突き抜けた遙か先には、魔族が住むとされる『魔星ませい』が浮かんでいる。舞台となる大陸は菱形をしており、西側と東側にそれぞれ一つずつ国家がある。

 この世界全体の特徴としては大きく二つ。住民の誰もが『日本』を知っているということ、そして書記言語として『ローマ字』を使うことである。


○人種等

 人間界は文字通り人間がそのほとんどの割合を占めているが、人間のような見た目と兎の耳、尻尾、驚異的な身体能力を持つ獣人『兎族うぞく』が存在している。また、かつては『エルフ(長命・尖った耳・類い希な能力を持つ人型の種族)』が存在していたという説があるが、四百年前に起こった戦争に巻き込まれ絶滅したと伝えられている。

 人間の半数は何かしらの自衛手段を身につけている。具体的には剣を初めとする武器の所持、魔法、神術などである。

 魔星には人型、動物型、虫型など、多種多様な形態の生命が存在している。いずれも長命、かつ人間とは異なる気質『瘴気しょうき』を纏っている。詠唱せずとも魔法を発動できる者が大多数。(人間が魔法を発動しようとする場合、一部の例外を除いて詠唱は必須)


神術しんじゅつ

 神の遣いとされる『巫女』が扱う術。この世界では「黒にほど近い髪と瞳を持つ者」を巫女と呼び、人々は巫女を敬う傾向にある。彼女または彼(巫女という呼称について、性差による区別はない。ただ、圧倒的に女性が多い)は、生まれつき神の力の欠片とも言える『神力しんりょく』を内に宿しているため、まさに「奇跡」と言うべき様々な術を発動することができる。

 とはいえ魔法を「攻」とするならば神術は「守」であり、防御や庇護に特化した術がほとんどである。稀にある攻撃的と思われるものも、元々は農耕用に考案されたものが時の流れの中で害獣対策用に変化したに過ぎない。

 一般的な神術の代表的なものとしては『結界』がある。習熟度にもよるが、物であろうと人であろうと結界を張ることによって、害なすものからもたらされた悪影響を遮断することができる。また、怪我の治療も神術の得意分野である。

 なお、治療系かつ応急処置程度のものであれば、誰でも使用して良い。(純粋な巫女でなくとも、神力が満ちる空間『聖域』に滞在し続けることで神力を培うことは可能。その後神術を発動できるかどうかはその人の性格等にも関わってくるので、五分五分と言ったところ。やましい感情、僻み、妬み、攻撃的思考に著しく支配されている者については神力は定着しない)


○魔法

 厳密には『魔法』と『準魔法』の二つに分けられる。創世者の意思により、攻撃手段となりうる『魔法』については争いを生む恐れがあることから、使用者が制限されている。具体的には、サモナージ帝国に居を置く者以外は、各国に一つ組織される魔法士団を除き使用することができない。

 なお、サモナージ帝国居住者、または居住歴のある者が第三者に発動方法などの情報を伝えた場合、教えた者も教えられた者も国外永久追放となり、魔法に関する記憶を消去される。(転出者は誓約書を書かされるが、魔法により全ての国民が帝国の監視下にあるため形式的なものでしかない)

 一方、『準魔法』は日常生活を便利にするものであり、発動して命に関わるようなものはなく、反乱などの危険性もないことから、世界中の人々に使用が許可されている。

 ただし、「準魔法を応用すれば正規の魔法を発動できるのではないか」という仮説を立てた研究者有志らにより、非公式の魔法研究協会が各地で発足している。

 提唱しているのが帝国居住歴のない者たちばかりであること、自国の決定事項から生じた結果であることから、帝国側も迂闊に手出しできず、事実上黙認している。

 ちなみに、通常の『魔法』と同じく『準魔法』の習熟度にも個人差があり、難なく習得できてしまう者もいれば、基礎の段階でつまずいてしまい習得そのものを諦める者も少なくない。そのため使用者の制限がないと言っても、非帝国民以外の『準魔法』の定着率は二割ほどに留まっている。



○歴史的背景

 遡ること四百年前。魔星から降りてきた魔王軍がアスラントに侵攻し、多くの人々を虐殺、世界中を恐怖に陥れていた。唯一被害を免れていた名もなき村の人々も、いつ来るともしれない悪魔に怯えて暮らしていた。

 そんなある日、一人の女性が村を訪れる。腰までの焦げ茶色の髪に漆黒の凜々しい瞳、身にまとった華々しい着物。「黒にほど近い髪と瞳を持つ者は神の遣い」と伝えられてきたこの世界、誰からともなくその女性に駆け寄り、不安を吐露する。その一つ一つに耳を傾けた女性は、あろうことか「私が魔王を倒しにいく」と宣言する。突拍子もない発言に面食らった村人たちは幾度となく引き留めるが、女性は意気揚々と一人で魔族の本拠地へと向かってしまった。

 それから一週間後、いよいよ名もなき村にも魔の手が伸びようとしたとき、突如魔族たちが一斉に退散し始めた。訝しがりながらもほっと胸をなで下ろした村人たちのもとに、再び客人が現れる。満身創痍ではあったが、それは紛れもなく魔王討伐へ赴いた女性であった。村人たちは喜び勇んで出迎え、村長は「村が生き残ることができたのは彼女のおかげだ」として、女性に村の名付け親になってほしいと頼む。そして、できることなら今後もこの村を見守ってほしいとも。

 その後女性は村長の望み通り、しばらくの間村に滞在し、幼い頃夢に見たという不思議な世界の話を村人たちに教え伝えた。『地球』という星の、その中にある『日本』という国のこと。言語は似ているが、文字は難解であること――。

 他にも盛んに行われている競技のこと、食べ物のこと、生活のことなど、余すことなく彼女は語った。しかし、やがて誰に告げることもなく突然行方をくらます。どれだけ探しても手がかりの一つも見つからない。村人たちは落胆したものの、彼女が教えてくれたことは是非とも後世に遺そう、との意見で一致。巫女の語った物語は村を越え国を超え、世界中に広まった。


○気候・天体・時間制について

 日本と同じように四季はあるが、日本でいう『真夏』や『真冬』以外の時期は、一人一人にとって過ごしやすい空気が保たれている。

 また、太陽や月に似た天体が日中と夜間それぞれに観測される。『太陽』は地球と同じく東から昇り、西に沈む。加えて24時制であることから、地球とアスラントは全く同じ時間を刻んでいる可能性が高い。

 

○国家

・レクターン王国(王都:セレンティア)

 大陸のおよそ東半分を占める国。人口はおよそ300万人で、アスラント一を誇る。

 王都であるセレンティアは人口250万人の大規模な都市でありながら、至る所に大小様々な坂があるため、坂の都としても有名。

 大国ゆえ、人や物の流通は激しいが、王族の非常に穏やかな人間性のためか、国民もどこかのんびりとしており、暴動や紛争などとは縁のない平和な国。

 剣を象徴としており、王国内部に『レクターン王国騎士団』を擁する。下部組織に『レクターン王国騎士養成所』があり、性別・年齢・出身地を問わず入所可能。ただし入所=王国騎士というわけではないため、「習い事」のような気楽な感覚で入所する者も多い。王国騎士への入隊を真剣に希望する者のために別クラスが設けられており、初めは見習い騎士として鍛練を積み、必要な知識を身につけていく。より上の段位を取得したり、特に優秀な成績を納めた者には入隊審査を受ける資格が与えられ、合格すれば晴れて騎士隊の一員という流れ。


・サモナージ帝国(帝都:アンテミスタ)

 大陸のおよそ西半分を占める。人口はおよそ280万人。

 魔法を象徴としており、創世者の意思により魔法を制限なく使用できる唯一の国。過去には独占状態だったが、他国や地域から幾度となく妬みという名の戦争を仕掛けられてきたため、一部の魔法を除き段階的に使用を許可した。

 日夜進む研究の中でかなりマニアックな魔法も生み出されており、国民の個人情報や、犯罪予備軍の動向なども全て魔法で管理している。

 あまりにも魔法が身近で便利なため、国民は自堕落な生活を送っている者が大半。一方で、それらの技術漏洩を防ぐための手段も徹底している。現住国民と言えども常に監視下に置き、転出する国民に対しては、滞在中に知り得た魔法に関する情報を外部に漏洩しない旨の誓約書を記入させ、破った場合魔法に関する記憶を消去している。

 帝国内部に『サモナージ帝国魔法士団』を擁しているが、魔法大国ゆえに他国に設けられている魔法士団とは比較にならないほどの実力者揃い。帝国民のみ入団可能。ご意見番として御三家(ステイジョニス、メイナート、クリュー)当主を据える。


○町

・ウイナー

 大陸中央部に位置する、レクターンにもサモナージにも属さない町。四百年前に世界を救った巫女がかつて名前を付けた村と言われている。

 

・リヴェル

 大陸西側にある、ウイナーの隣町。(ただし、間には巫女の森と、標高900メートルほどの山々が連なるトゥモ山脈がある)

 

・レイリーンライセル

 大陸南部に位置する町。レクターン王国領。かつては若者たちで賑わっていたものの、ここ最近は過疎と高齢化が進み、財政状況も悪化、町民は深刻な飢餓に苦しめられている。レクターンとサモナージが定期的に人的・物的支援を続けているが、町の北側にある荒野でこの町出身の飢えた青年たちによる無差別殺戮が発生しており、対応に苦慮している。南の外れには海を臨める名もなき聖域がある。


○村

・ベルレーヴ

 大陸北西、サモナージの北側にある山村。下手な町よりも規模が大きく、人口も多い。

 

・サイモン

 大陸北北西、サモナージ帝国最東端の村。すぐ側にレクターンとの国境があるため、国境の村とも呼ばれる。


・トーレス

大陸北部、人間が住んでいる村では最北。特産品の栽培に勤しむ。

 

○集落

・兎族の里

 大陸北部、トーレスよりもさらに北に位置する、アスラント唯一の獣人・兎族が暮らす集落。年間を通して涼しい気候。

 

○聖域

「神の力が宿る」と言われる、アスラント中に点在している神聖な空気で満たされた空間。巫女が聖域を管理することによって、聖域に満ちる神の力を一定に保つことができることから、いつしか「管理」に代わり「治める」が使われるようになった。なお、巫女が治めることによって「その聖域の真価が増し、結果的に周辺地域の御利益が増す」という俗説がある。聖域そのものの成り立ちは分かっていない。

 スポット的なものから森のように広大なものまで多種多様。巫女が治めている聖域には巫女本人が名前をつけることになっている。

 

・巫女の森

ウイナーの北西、リヴェルとの間に広がる広大な森。他の聖域にはない真紅の鳥居が目印。四百年前に世界を救った巫女が、かつて治めていた聖域と噂される。そのため他の聖域よりも特別視されており、観光目的で訪れる人や伝説にあやかって立ち寄る旅人も多い。深奥には創世時から存在しているとされる大樹『アスラント(この世の果て)』がそびえ立っている。


○その他

・ガイラオ騎士団

 平均年齢二十歳以下の団員で構成される暗殺組織。シンボルマークは『六芒星(=世界)を貫く血濡れた槍』。団本部はベルレーヴを見下ろすような高所に位置する。目的が目的のため、団員は罪に問われないという特例が認められているが、当然ながら世論は批判的。本業は『依頼』もしくは『仕事』、それ以外の雑用などは『任務』と使い分けている。「依頼主及び団長の命令は絶対」という掟のもと『仕事』を遂行する。


・この世の果て

 巫女の森深くに根を張る巨木の別名でもあり、「巫女と魔族の戦い」と並ぶほど知名度の高い「伝説の島」の名称でもある。一部の情報筋によれば、島でありながら「頻繁に場所を変え」、「巫女とエルフが住み」、「不老不死を初めとしたあらゆる無理難題を可能にする薬草が群生する桃源郷」とのことだが……。


・・・・・随時加筆修正していきます・・・・・

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