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幸三

作者: 柳真



神奈川の日吉という駅。




階段を上がっていると、途中に大量の馬券が捨ててあった。







三島幸三 38才


12年前に結婚、6年前に男の子が産まれ幸せな生活を送っていた。



建築会社に働いていて、役職もまぁまぁ、人望もそこそこ。



ただとても仕事熱心な上、バカがつく程の真面目な性格だった。







しかし2年前に会社が突然の倒産。



真面目な上、その会社に尽くしていた幸三にはあまりにも大きな転落で、何もする気にならなかった。




しばらくして仕事もしない幸三は住宅貯金を手につけギャンブルと酒にハマった。



もちろんそんな父親には付いていけず2人は離婚へ。


母親は幸三が元々は真面目な性格だったのと哀れな幸三に精一杯の気を使い慰謝料はなし。


貯金は必要最低限の分だけを持ち母親は息子を連れて出ていった。






しかし母親の気も無駄に終わり幸三は変わらず気づけば貯金はなくなり借金は500万を越えた。




悪いとはわかっていたけどギャンブルも酒もやめる事ができず、まさにどん底。






そんななか、ある日30万の現金書留が届いた。


元奥からだった。




「再婚しました。」



とだけ書かれていた。



自己嫌悪に陥った幸三。


その上、ギャンブルに依存しすぎてた幸三は、膨大な借金を前に30万は小さすぎると考えてしまう。




そんな時、幸三に一本の電話が入った。



「間違いなく当てれるレースがある。」


大体倍率は20倍。




元奥からの30万全額を賭ければ借金は消える。




しかしもしハズレたら…




さすがにギャンブル中毒の幸三とはいえそのお金を使うのは戸惑った。




しかし…












結局幸三はその話しには乗らなかった。



ここが自分の転機。


30万を元にしっかり仕事に就いて借金を地道に返していく事を心に決めた。




すぐには無理かもしれないけど変わらなきゃいけないと。







奇跡を呼ぶ天使の贈り物、

万物は流転する。



幸三は元奥からの30万を天使からの贈り物と考え、自分も変わらなきゃいけない、何事も変わっていくのだと考えた。










後の幸三の友人はこう言った。



彼を見ているといつかは自分も変わらなきゃいけない、人の気持ちは変わっていくものだと。







日吉駅に捨ててあった馬券。



世の中には幸福も不幸もない。

ただ、考え方でどうにでもなるのだ。

fromシェークスピア

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