表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイテー男  作者: nay
2/2

サイテー男、悩む

見合いの日から数日後。俺はホテルのレストランに居た。


見合い相手、山川やまかわ 悠希ゆうきは、スラリとした体、クセがなく真っ直ぐな茶髪に、少し切れ長だが大きめの瞳が印象的で、白く滑らかそうな肌のおかげか実年齢より2〜3歳は若く見える、美人タイプ。

そんな彼女と、再び出会っていた。


あの日、悠希に断っても良いと言われたのは、一瞬だけ出来た2人の時間だった。

まさか、そんなことを言われると思っていなかったからか、その時は断る気があることを言えなかった。


そして、母が帰り際に

「次はご飯でも食べながらお2人でゆっくりお話されてはいかがですか?」

と悠希に提案した時、俺の顔を見て、断るなら今ですよ、と言われた気がしたのが無性にイヤで…


俺は「そうですね。もし悠希さんが嫌でなければ是非」と答えていた。


…悠希を、困らせたいと思った。


§


「お酒は飲めるんですか?」

彼女の見た目にあった、落ち着いた声音は、レストランの少し謙遜とした空間ではより響いた。


「はい。結構飲む方ですね。なかなか酔わないタイプなんで。

悠希さんは?」

普段通りに大きな猫を被って、人によっては見惚れる場合もある笑顔で答えたら


「私はお酒弱いですね。ただ、全く飲めないわけではないので、1杯目はアルコールにします」

ふふ、と淀みなく微笑み返された。


(なんで、この間のお見合いの話には触れないんだろう?)

(なんで、俺がお見合いをあまりよく思っていないと知ってたんだろう?)


聞いてみたいことはあるのに、どう聞いていいか分からずにどうでもいい話をする。


モヤモヤしながらも食事は進み、食べる姿勢、マナー、全てが今までに出会った女性の中で誰よりも上品だと気づいた。

会話が途切れること無く、でもプライベートな質問はされないので、途中からは話をすることも楽しいと感じた。


母がお見合いを勧めただけの理由がある女性だった。


結婚願望はあるのだろうか?

しかし、断って下さいと言うからには、俺と結婚したいとは思っていないはずだよな?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ