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第三十九話 ニーニャの問題



「まあ、これは置いておいて少し報告というか相談があるのですが」


 この雰囲気を作り出した張本人のジークがどの面下げてか話を切り出した。

 僕は文句の一つも言ってやりたい気分だったが、そこはグッと堪える。

 だって僕は大人だから。


「なんでしょう」


 ジークの真剣な顔に村長も居住まいを正す。


「少し不味いことが発覚したんです」


 そう言ってジークは説明を始めた。

 そうニーニャのことについてである。


「ファイアバードですと」


 村長が驚きの声を上げていた。


 『ファイアバード』

 鳥の幻獣で四神『朱雀』の眷属である高位の幻獣。

 業火のブレスを吐き、その羽ばたきは嵐を起こす。

 そして、飛行能力が高い上、魔法に強い耐性を持つ、特に火に対して無敵だ。


 高いステータスを持っているのはもちろんのこと。

 飛ばれてしまうと魔法に強いので有効な攻撃手段がほとんどない。


 そんな非常に危険な生物なのだが、基本は穏和で自分から攻撃するようなことはしない。

 通常は人の近寄らない火山の火口付近などに生息をしている。

 火食い鳥も珍しい幻獣だがファイアバードはそれと比べ物にならないくらいの希少種だ。


 そして、問題が一つ。


 ファイアバードの魔石は火炎属性の最高級品。

 杖やローブだけでなく魔導具の材料に使われる。

 売れば一生遊んで暮らせるくらいの価値があるのだ。


 もしニーニャの存在が知られたら……


 その魔石目当てにどんな奴らがやってくるかわからない。

 下手すると村人を皆殺しにして奪っていく人間も現れるだろう。

 そこに気付いた村長は渋面を作っている。


 重い沈黙が流れた。


 そんな中、ニーニャが飛んできて僕の肩にとまった。

 ピーピーとなく姿には僕達の深刻さなど伝わっていなのだろう。

 でも、それでいいのだ。

 この子はそんなことを知る必要性はない。


 僕は意を決して声を上げる。


「あのぉ。ニーニャを僕達が連れて行ってはいけませんか?」


「マルコ。それは……。オレ達は旅の途中だし、ホワイトタイガーの子もいるんだぞ。この上、ファイアバードの子供なんて」


「そうね。ここはここの領主様に預けるのが無難なんじゃないの?」


 そんなリーナの言葉に村長の顔が歪む。


「それはちょっとマズいですね」


 僕達の視線が集まっているのに気付いて、村長が大きく嘆息した。

 そして、重い口を開く。


「ここの領主である伯爵様はその……少々、権力欲が激しいというか、お金に貪欲というか」


 歯切れの悪い言い方をしているが、彼の言いたいことは何となく分かった。

 多分、ニーニャがファイアバードの雛だと知ればその場で魔石を取り出されてしまうのだろう。


「やっぱり、僕達が連れて行かないと」


「だけどな。マルコ。現実問題」


「ちょっと待って。その子から光が」


 リーナの声にみんなの注目がニーニャに向く。

 そして、その光はニーニャから離れて僕の身体の中へと入って行った


いつもお読みいただきありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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