第二十八話 ライトニングタイガーの巣へ
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結局、これといった作戦は思いつかず、前衛でジークがライトニングタイガーの足止めをしているところにリーナが土魔法で攻撃するという事になった。
ライルがライトニングタイガーの毛皮は非常に高く売れるからできれば無傷で手に入れたいと言っていたがその件は却下された。
確かに土魔法には巨岩で押しつぶすような魔法もあるが、スピードが遅く敵に当てることが難しい。
ましてや、今回の相手はライトニングタイガーである。
ジークが上手く抑え込んでも魔法の前兆を感じたライトニングタイガーは素早く躱してしまうだろう。
まあ、ジークもろともひき潰すなら可能かもしれないが……
そんな話をすると
「それならその役はオレが――」
皆は盛大に溜息を吐いてライルの意見を無視することにする。
そんなこんなで僕たちはライトニングタイガーの巣である洞窟の前まで来ていた。
この辺はライトニングタイガーの縄張りということなのか魔物は一切出なかった。
草をかきわけて進むのはなかなか厄介だったが、ここまで無事に到着だ。
「ここが奴の巣か」
僕たちは洞窟の前の拓けた空間を避け、木の影から様子を伺っていた。
洞窟は意外と奥が深いのかこの距離では中の様子を伺えない。
「この中にライトニングタイガーがいるのかしら?」
「わからんな。探索系のスキルを持っている奴がいればいいんだが、リーナはそう言う魔法は使えないのか?」
ライルがリーナに問いかけると彼女は不満そうに頬を膨らませていた。
「わたしの専門は攻撃魔法なの。探索系みたいな地味な魔法には興味がないし、それに探索魔法って盗賊系のスキルに比べてどうしても使い勝手が悪いのよ。そんな無駄な魔法に魔力を使うくらいなら少しでも攻撃魔法に使った方が効率が良いと思わない!」
リーナの言うことはもっともだった。
現に魔法使いで探索系の魔法を持っている者は少ない。
だが、彼女が言うとただ単に派手な攻撃魔法を撃ちたがっているだけにしか聞こえないのが不思議である。
そんな時だった。
リーナが良いことを思いついたかのようにニヤリと笑った。
「ねえ、洞窟の中なら火魔法を使っても問題ないわよね。いるか、いないかわからないけど、ここから火魔法を叩き込んで燃やし尽くしたら手っ取り早くない? 洞窟の中なら山火事の心配もないし」
何とも大雑把なことを言っていた。
女の子とは思えない豪快さだ。
僕が若干呆れていると
「それは良いかもしれないな。ライトニングタイガーはつがいだって話だし、メスの方は妊娠中って言ってたから間違いなく巣にいるだろう。その方法なら被害なしに一匹は片付けられるな」
真面目な顔をして考えだすジークに僕は慌てて突っ込んだ。
「ダメだよ。今回の目的を忘れたの。今回の目的はライトニングタイガーの討伐じゃなくて火食い鳥の雛の救出だからね。最悪、こっそり巣に侵入してニーニャだけ助けてきてもいいんだから」
そうだった、とジークは目を見開いた後にばつの悪そうにそっぽを向く。
しかし、リーナはそんなことはわかってたと誤魔化すように早口で
「で、でも、火食い鳥って火属性に耐性があるし、火を食べて体力や魔力を回復させるんでしょ。火魔法をぶっ放しても無事なんじゃない?」
「それはどうだろう。ライトニングタイガーを仕留めようと思えばかなりの高威力の魔法を使わないといけない。成鳥になってれば問題ないだろうが、雛では耐えられないんじゃないか?」
ライルの指摘にやや不満そうだったが頷く、リーナ。
しかし、まだ、諦められないようで
「じゃあ、このまま洞窟に入ってそこで戦わない。洞窟内なら火魔法が使えるし、広い空間で素早いライトニングタイガーと戦うより有利なんじゃない?」
それにはジークが盛大に首を振っていた。
「冗談じゃない。洞窟の中がどれだけの大きさがあるかわからないが、壁や天井を使って立体的に動かれたらとてもじゃないけど手に負えないぞ。ああいう奴と戦うのは障害物のない拓けたところでないと無理だって」
ライルも頷いている。
「それに洞窟内で火魔法なんて使ったらあっという間に酸欠で倒れちゃうんじゃない?」
僕の意見にリーナはアッと呟いた後、面白くなさそうにそっぽを向き怒鳴るように
「じゃあ、どうするのよ」
その時だった。
「もう迷っている場合じゃないぞ」
声を押し殺してライルがみんなに警告する。
僕達にも緊張が走った。
「奴だ」
洞窟からライトニングタイガーが出てくるところだった。
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