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親愛なる妻へ  作者: 崋山
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距離感

妻の住んでいる自宅のある駅に着いた。ホームに降りると急いで改札口に向かう。どうか嘘であってほしいと願う。そして、冷たいお茶を飲ましてくれと願っている。急いで自宅に帰る。




真心と付き合い始めて数ヵ月経った。大学の授業は高校までの授業とは別格である。大学に行かせて貰うだけでありがたい。贅沢な先生と授業内容。だが、その分学位や授業、課題はもっと難しい。さらには就職活動も一人で忙しい。だから、他の同級生は単位のためなら自分を強くする。友達だろうが関係なく上に昇る。だから大学生はプライドが高い。そのせいで性格も悪い。頭のいい大学に行けば行くほどそんな奴らばっかりだ。しかも田舎育ちの人間なら、大学に入学するだけで学生の家族は天狗になる。雅人は真心に会うと、そんな気持ちなんてどうだってよかった。ただただ、会って、そばに居てくれるだけで、落ち着く。

今日はどこに行こうか、雅人は考える。たまには手料理もいいかなと思う。寮とは言え、一人で暮らしている。手料理なんてできない訳がない。これで不味い料理を作れば、笑われる。学校を帰宅し終えて、真心に電話をする。楽しみにしていると、喜んでいた。時間になれば迎えに行く。真心は町から離れはしないが、少し距離がある。その一角の八百屋を実家として、真心のおばさんが店主だ。たまにそこで買い物もする。真心のおばさんはそれで顔見知りだ。真心を待っている間、手料理を振る舞うことを話すと店の売り物にもならない野菜をいただいた。おばさんなりの気遣いだ。真心が帰ってくるなり、おばさんはとりあえず喉が渇くので真心と雅人に冷たいお茶を出す。それをいただき、真心を寮に招く。おばさんは気難しいが、この町であるゆえかもしれない。

手料理は冷製トマトスープとカボチャのグラタンだ。少し手を込ませるが、そういう時に限って普段より違和感を感じる味になるのだ。真心は美味しいと喜んでくれた。手を合わせてご馳走さまでしたといい。そして、暗いので安全に家にまで帰す。

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