表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

1

 近年VR技術の発展により2Dゲームの売れ行きが乏しい中

2D MMO RPGとして人気VRゲームといい勝負を繰り広げていた

soulソウル Weaponsウェポンズ Onlineオンライン通称『魂武器たまぶき』が

ついに多くの要因と経営難によってサービス終了をして

多くのゲーマーの枕を濡らす出来事が起きてから訳二年と少し、

有名VRゲーム会社[リードカンパニー]と[灰田ゲームス]が

前運営陣を迎え入れ、合同運営として

受け継ぎ新たにサービスを開始するという情報が

ネット、TV関わらず駆け巡ったと共にVRになってクオリティや

ゲーム制が劣化してのでは無いかと懸念事項を

抱えながら始まったβテスト当日。

俺はそのβテスターとして応募数1000万人強の内の

1000人に滑り込む事が出来た。

きっかけは些細なもので友達と諦め半分で応募したのだ。

そして運よく、ほんとに運よく当選出来た僕は

今都心にあるβテストの為に貸し切られたホテルへ

この凍える様な寒空の中張り切って足を運んでいる。


実際問題大手のゲーム会社が合同で運営してまで

サービスを始めるには訳が有ったりするんだ

タマブキは独特のゲーム制が売りだったりするんだが

他にもステータスの完全マスクデータ化とか、

現実に極限まで近づけたスパルタかつコアなシステム

そして『己が武具の鞘となり相棒となれ』というコンセプトの上

厳格に運営されてきた

ゲーマーにとっては人気絶大なゲームだ。

そしてそんなコアなタマブキだが

それでもアマチュアと言ったらなんだが

一般層からの人気があるのは

多彩な武器、防具、自由な戦闘方法や生産が非常に面白い上

グラフィックも綺麗で恋愛、結婚等と言うRPGとは

あまり関係ない所まで手を出している

非常にマルチ的なゲームだからだ。

噂ではこのVR化には財閥やら色々な所から

支援があっての事では無いかなんて言われているほどだ。

要は成功すればそれだけ利益と実績が手に入るということだ。



長々と考えたがまぁ正直利益どうのと言うのは

どうでも良いのでβテスト当選の報と共に入っていた

地図を確かめながら歩いていると

同じように地図を持っている人がチラホラと見えてきた。

それから少し歩いていくとビル街の中に一際綺麗なビルが見えた

地図で見比べる辺りだとおそらくあれだろう。

一番手前にあったビルの表札を見るとA-3と書いて有る。

どう動けばいいのかとかも聞いてみないと解らないので

取りあえずそのビルに入ってみると『soul Weapons Online βテスト会場』

とデカデカと書かれた天幕を発見したので

βテストの為のホテルで間違いは無いようだ

場所があっている事を確認できたので色々聞くためホールの方に近寄ってみる

すると奥の方から係りの格好をした人がメガホンを片手に


「当選致しましたβテスターの皆様おめでとうございます。

 本日は寒空の中ようこそお越し下さいました。

 このビルは当選の報がなされた封筒に同封されてあるパソナルカードに

 A-3ビル、と記されている方がご使用に成られます。

 他の数字又はアルファベットの記されている方は同封されております

 地図にビルの号数が記されてありますのでお手数お掛け致しますが、

 その地図を御頼りにご自分に合った号数のビルへお尋ねください」


どうやら、地図の他にも同封されてたカードがあった様だ。

完全に気持ちが小躍りしててよく見てなかったな。反省反省…


あぁだから、封筒に中身のモノを必ず全部持って来てくれってあったのか。

鞄に封筒が入れてあるので鞄を漁って封筒を探すと直ぐに見つかった、

封筒の中身を見てみると自分の名前と

顔写真が貼ってある免許書の様なカードがあった。

多分これが係りの人が言ってたパソナルカードってやつだろう。

それを見ると名前の下に【B-3】とあった

地図を出して照らし合わせながら指で辿る、

丁度このビルの通路を抜けた一つ向うの様だ。


早速B-3のビルに行ってみる

すると先程のビルでみた係りの人格好をした人がメガホンを片手に

さっき聞いた注意をしていた。

一応ともう一度聞いておくと最後の方に

該当するビルのカウンターでパーソナルカードを

開示するようにと言っていたので少し進むと

その奥に受け付けのカウンターが見えた。

行ってみると受付の御姉さんがパーソナルカードの開示を求めてくる、

渡すと注意事項と階数と号室を教えてくれた。


ヤッパリホテルのカウンターにいる人はみんな綺麗なひとなのかな?

なんて他愛のない事を考えながらエレベータに乗りこんで指定の階数に行く。



指定の部屋の前につくと

ドアがカード式ロックに成っていたので

カウンターで聞いた様にパーソナルカードを差し込んで早速部屋に入る

「おぉ...」

無意識の内に出てしまった感嘆の声が無人だった部屋に響く。


ホテルだけあって綺麗に整頓されている部屋に

ネットに繋がれてあるはずの一台のPCとそこに繋がれた

バイクのフルフェイスヘルメットの様な次世代ゲーム機、

ヴァーチャルリアリティヘットメット略してVRヘットメットがある。

一気にテンションが上がった

実は近年VR技術が発展してきたと言っても

VRが一般家庭に普及したのは最近だったりするのだ。

ゲームのソフトの方はそこまでではないが

VRヘットメットがこれまた高い高い、一学生である僕では到底

手が届かないような値段に疲弊したよ。

そのヘットメットが自分のでは無いが目の前にあってゲームが出来る

それだけでもう嬉しすぎて小躍りしそうだ。


じ、実際踊ったなんて言えない。絶対に言えない。


おっと、そんなことしている場合ではなかったな

早速防寒具を脱いで備え付けのクローゼットに入れてから

ゲームの準備をする。

初心者の為にベットの頭の所にある物置に手順が書いて有ったので

それを見ながらセッティングした。

βが始まるのは午後二時頃だった筈だから時間はある程度あるし

急ぐことはないのでゆっくりでいいのだがやっぱり念願のVRだしね。

早速始める為にヘットメットを被りベットに寝る。

ベットがフカフカなのに驚きながらキャラメイクをするため

耳元にあるパワーボタンを押す。

カリカリと言うPCの音が聞こえる中、

心地の良い眠気が来てすっと意識が途切れた。






読んで下さってありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ