平和な学校
今回は普通です
いつもの聞きなれたチャイムが鳴る、六時間目のは安息のチャイムとも言えよう(学校が終わるから)
「おっと、少々自衛隊に関する裁判で時間を取り過ぎたようだな、それでは今日はここまで、次回は国民の権利と義務だ」
学級委員長がいつものセリフを言う
「きおつけー、れー」
「「「ありがとーございました」」」
「いやー終わった終わった」
「これで一週間乗り切ったなー」
そんな雑談を友人たちとしていると、ちょっと離れた所から藤木がやって来た
「よお、軍事オタク」
「違う、国家主義者だ」
「・・・いや、違うだろ」
藤木は(自称)ナショナリスト、とはいってもナショナリストらしきところはなく、ただ単に『ミリオタ』と呼ばれたくないだけだろう
「まあいいや、ちょっと話があるんだよ」
「なんだよ、また基地祭か?」と友人がツッコミをいれる
「違う違う、来週日曜に横須賀でビックイベントがあるんだよ」
「ビックイベント?」
「何だと思う?」
俺は考えるが、そんな簡単に浮かぶはずもない
すると突然、参考書に目線を向けつつ石田が
「航空母艦」と言った
「その通り!!」藤木が石田を指差す
石田は参考書から顔を上げると藤木を見つめ、当然のように「横須賀には海自(海上自衛隊)の基地がある、藤木と言えば軍隊」
「俺と言えば軍隊って…ひどいな」
「常識だ」
「常識・・・ま、まあいい、でそこに行かないか?」
あーそう言えばニュースでやってたな『空母「あかぎ」設計者、平和主義市民団体に刺される』
・・・平和主義が人殺しちゃダメでしょ
「俺は行かねえ、小テスト近いし」と俺、はっきり言って興味ない
「僕も行かないかな」と友人A
「行かないね」と友人B
「行く、日本初…いや海自初か、の空母を見届ける」と石田
「おお、石田は来てくれるのか!でもいいのか?」
「愚問だ、休日は休むためにあるのであって勉強するためではない、違うか?」
石田は成績優秀でそれを自慢げに話す男だ、しかしその成績がとてつもない努力から来る事を知ってる俺たちは文句を言わない
「ははは…そうだな」
藤木は苦笑していた
「ちょっと、そこの男子!掃除の手伝いしないなら帰りなさい!」
クラス委員がお怒りのようだ
「さとて、俺らは退散しますか」
「そだな」
「んじゃ、また来週」
そう言いながら俺らはバラバラに学校から帰って行った
・・・首都封鎖まであと8日
次回からいよいよ本格的に物語が始動します
次回更新は今日の夜です
※2/17タイトル「とある平和な学校」→「平和な学校に変更」