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ウインッガガガッ

掲載日:2026/04/11

ウインッガガガッ…音の正体は…?

 消毒…?薬品…?みたいな匂いがして、俺が目を覚ますと、目の前には丸いライトがあって。


俺が眠っていたのは、ミントグリーンの椅子みたいだった。


起き上がって辺りを見まわす。


ここは…歯医者…?


口をゆすぐ場所とか、舌の置き場に迷走するドリルとか大量にある。 


椅子は並んでいるのに、誰も座っていない。

気味悪いくらいに静かだ。


受付のとこに行ってみると、そこにも誰もいない。受付のベルを押してもチーンッという音だけが響いた。


何時なのか時計を見ても、壊れているのか針が変な動きをしている。


カーテンから漏れる光は明るかったが外の様子は真っ白で見えなかった。


歯医者の中を見回る。


見たことない部屋や、器具、植物や子供の待機スペース。


懐かしげがある気がするのに、永遠に続くようなこの空間に不安を覚えるのは何故なんだろう。


出口を探して彷徨い歩く。


ウインッガガガッ


どこかで機械音がした。


ビクッと肩が震える。


誰かが音を立てているとしか思えない。


けど、今まで人の気配なんてしなかったし俺以外の人なんて見ていない。


ウインッガガガッ


また音がした。


けど…こういう時は、近づかないほうが安全かも知れない。


ウインッガガガッ


音を無視して受付の奥の部屋と歩く。


それなのに、


ウインッガガガッ ウインッガガガッ


音が大きくなっていく。


おかしい、普通は遠のくはずなんだ。


薬品の匂いだけだったはずなのに、どこか鉄臭い匂いがするのは気のせいだろうか。


怖くなって受付カウンターの裏にしゃがみ込んだ。


 大体、なんで俺はこんなとこにいるんだ…?


どうして、中がこんなに広いんだ…?


家族は…友達は…どこにいるんだよ…。


ぐるぐると考えが渦巻いている時、カウンターの棚に何かがあった。


スマートフォン。


これだ!と俺はスマホを手に取った。


パスワードが開かないかと思ったけれど、何故かロックはかかっておらず、起動し始めた。


やった…!これで助けを呼べばいい。


早速電話をかけようとした俺の目の前に真っ暗な画面のなかに表示された赤い文字。


『ご予約が完了しました』


ブツリと画面が切れて真っ黒になる。


映った自分の顔の後ろにいる「人影」。


反射的に振り向いた。


口が頬まで裂け歯がぎっしり埋め込まれた歯科助手が、震える俺をじぃっと見つめていた。


ガシッと腕を掴まれて、椅子にねさせられる。


部屋の奥の部屋で、あり得ないぐらい腕が長い血まみれの医者が手招きしているのが見えた。


腕を振りほどこうとすると、首筋に注射針を当てられた。


逃げられない。


「あっ…あ、わあぁぁぁぁぁぁ!」


ウインッガガガッ 

最後まで読んでくださりありがとうございます!

歯医者さんの非日常感ある風景が、ず〜っと続いていたら怖いよな〜と思って作成しました(>ω<)


他の作品も読んでくださると嬉しいです!

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