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シャドウサーカス〜闇と光の出会い〜  作者: シン
First Show

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20/55

驚き、そして爆笑

テントの中が、まだそわそわとし始めた。

「カイ兄さんが喋った!」

「久しぶりに聞いた!」

 最初に反応したのは双子だった。

(なんか、驚く方向が想像と違う……)

 どうやらカイは、サーカスの中でも相当な寡黙らしい。


「カイが、自分から何かをやるって言ったの?!」

 次に、カナが真っ当な驚き方をした。


「……珍しいですね。作戦に口出しするなんて」

 ウィルも少なからず驚いたのか、目をかすかに見開いた。そしてすぐに、探るような視線をカイに向ける。

 けれど当人は、他の人の言葉には目もくれず、終始私だけを見ていた。

(なんだか、出会ってからずっと意味深な視線を向けてくる)

 ただ、今までの視線と違って、今回はかすかだけれど感情を感じた。

(私、彼に何かしただろうか)

 いくら考えても、心当たりは見つからない。


 カイからの返事を待つのを諦めたのか、ウィルはため息を吐いた。

「……いいでしょう。あなたが言うのであれば、リリィ様の参加を許可します。その代わり、カイはリリィ様の安全を最優先にすること。リリィ様は、きちんと手がかり探しに協力すること。いいですね」


 圧をかけるように、ウィルさんは強い口調で私たちに告げた。

 カナはまだどこか心配そうな表情だったが、反論を思いつかないのか、特に何も言わなかった。

 サックスも戸惑いはありそうだったが、反対する素振りは見せない。

 双子に至っては、どこか楽しそうに私たちの反応を観察している。


「わかった、約束する」

 私は簡潔に答えた。


 その後、集合時間や場所を手早く決め、最終リハーサルがあるからと、カイに私を送らせることになった。


 ――そういえば、ずっと疑問に思っていたことがある。

「本当に今さらだけど、聞いていい?

 カイはリハーサルに参加しなくていいの?」

 ウィルはすでに退室していたので、気兼ねなくカナに尋ねた。

 この一週間近く、カイはずっと私についていた。リハーサルをする時間なんて、あったのだろうか。


 すると私の問いに、カナはぷっと吹き出した。

「ぷっあはははは! カイに練習なんてさせたら、私たちいらないじゃん」

 カナだけでなく、双子たちもおかしそうに笑う。

 サックスだけが、どこか複雑そうに苦笑していた。


 ――なんとなく、カイのサーカス内での立ち位置がわかった気がした。


 そして私はまだ、大人しくカイに抱えながら、診療所に帰った。

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