19/55
《カイ目線》
実験に取り組んでいる最中も、
俺は彼女から目を離すことができなかった。
知人と話すときの柔らかな眼差しが、
実験が始まった途端、感情ごと切り落とされたように消えた。
その目を見た瞬間、心臓を締め付けられるような感覚に襲われた。
――この感覚は、なんだろう。
彼女をもっと見ていれば、
いずれ分かるのだろうか。
会議が始まった頃には、彼女の目に温かさは戻っていた。
それでも、あの締め付けられる感覚は消えない。
(あの目は、なんだ)
ウィルが任務について作戦を立てている。
だが今の俺には、それすら雑音にしか聞こえなかった。
「私も行く」
彼女の言葉だけが、脳裏に鮮明に響き渡る。
彼女は、侵入任務に参加しようとしている。
それなら――
彼女の傍について行けば、
また、あの目を見ることができるのだろうか。
この感覚の正体を、
俺は知ることができるのだろうか。




