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スキル『洗濯』の能無し悪役令嬢は、冷酷王太子殿下と虹染めに夢中〜無自覚溺愛に振り回されつつも、隣国は楽園です!〜  作者: 櫛田こころ


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第80話 お誘いをしましたの

 リーリルお姉様と協力して作り上げたお衣裳。


 わたくしが初めてのお裁縫ということもあり、普段着に近いものにしましたが……とても、可愛らしく出来上がったと思いますわ!! 繕いを丁寧に仕上げ、試着してからは微調整するなどと頑張ってみたところ。


 お姉様のお力添えもあり、たった三日で出来上がりましたわ!! リデル様のお仕事でまたお休みの期間をいただいた時間をうまく使えましたの。


 今日は今日でまた、その……リデル様がお仕事だというので、わたくしが執務室にお伺いすることにしました。出来上がったばかりの、お衣裳を着こんで!!


 お姉様に案内していただきまして、お部屋に入らせていただきましたが。



「……レティ。その服は」



 とても驚かれていましたが、引かれてはいないようです。お姉様監修のお衣裳ですもの、見苦しく仕上がっていないはずですわ。


 このお衣裳を身に着けるのはまだ少し緊張いたしますが、今日はそれを見せるだけが目的ではありません!! わたくしなりの『お誘い』をしてみたかったんですの!!



「その。お姉様とごいっしょにつくりましたの……」

「……そうか。とても、よく似合っている」

「! ありがとうございます!!」

「では、私はこのあたりで」

「ありがとうます、お姉様」



 お誘いについてはひとりで頑張らなくてはいけませんので、お姉様にはここで退場していただきます。


 リデル様は少し休憩するか、と、ソファへ移動されて隣に来ないかと誘ってくださいました。ああ、ここで先手を取られるのは仕方がありませんが!! レイシア、勇気を出してお誘いするのですよ!!



「シンプルだが、いい色合いだ」

「……リデル様のお色を選びましたの」

「! やはり。俺もそう思っていた」

「いや、でしたか?」

「まさか、俺のを身に着けてくれるのは嬉しい限りだ」



 ただ、褒め言葉がストレート過ぎて、なかなか話題を振れないことが歯がゆいですわ!! それと、ふたりきりと言うことでリデル様の手がわたくしの頬に添えられましたの。この仕草は……と、前を見れば満面の笑みの愛おしい御顔。


 すぐに、唇を寄せられ、軽めのキスを何度か。


 これでは、先に進めませんわ!? そういう意味でのお誘いをしているわけではありませんのに!!



「……その。この服、ですが」

「ああ」

「……動きやすいものにしたのです。リデル様と、おでかけ……したいと思いまして」

「! なるほど。たしかに、次のデートは決めていなかったな? それは申し訳ない」

「い、いえ! 寂しいと思ったわけでは」

「俺のために考えてくれていた君が愛おしく感じただけだ。君が悪いわけではない」

「……は、はい」



 次はどこに行こうかと、そのあとお話が続くかと思いましたのに!?


 わたくしのことが可愛い可愛いと何度もおっしゃいながらのキスの嵐が止まりませんでしたの!? リーリルお姉様が本当にここに居なくて良かったですわ!! 控えていらしたら見せびらかしでしかないですもの!!?

次回は金曜日〜

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